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悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「皇女、反逆者に刻印する」 24話

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引用:

皇女、反逆者に刻印する

あらすじ

人造人間「ホムンクルス」の反乱によって滅びたハーデルラミド皇室。第7皇女イヴは妹の裏切りによって1度は命を落としたものの、錬金術の力で8年前の世界で再び目を覚ます。 イヴが皇室滅亡の未来を変えるための方法―それは皇室を滅亡に追い込んだホムンクルスの王・ミカエルを自らの専属騎士にすることだった。 皇女と反逆者、前世ではすれ違ってばかりだった2人が向かう未来とは——!

本文

【半年前】

第3皇女ブリジッテの応接間にて。


第3皇女と、ルチアード伯爵、伯爵の一人娘であるアナイス・ルチアードが向かい合って座り話をしていた。


『つまり、皇道のあちこちに公衆浴場を建設、運営する事業ですか。』
『そうよ。』

アナイスも発言した。

『しかし、利益はあまり良くないと思うのですが···。』

『そう、おっしゃる通り儲けはそんなにいい方ではない…庶民の衛生増進のための公共事業だからです。
ルチアード伯爵にとってもこれは名誉なことです。私は皇道最高の建材商会を所有するルチアード伯爵家が、この仕事に最もふさわしいと思ったので、一番最初に伯爵にお勧めしただけです。
望まないなら話はこの辺にしましょう。ルチアードでなくてもこの仕事を引き受けたいという人はいくらでもいますので。』

『!………わかりました。 皇道の福祉に貢献することができるのならば…。』

伯爵の返事に、ブリジッテはにやりと笑った。



ーーー・・・


(お父様が第3皇女の口車に乗って簡単に家の印章を押した後に、こんな問題が起こるとは···。銭湯に供給する温水を温める魔晶石の価格が手に負えないほど急騰した。 防火事故防止規制のために、火を使うのは難しい···。
このまま運営していたら、赤字が雪だるま式に増えるはずだ… そうなるとすぐうちの商会は….それなのに、第3皇女は私に会ってくれない・・・もう、どうすればいいのよ〜!)

困り果てたアナイスがグラスに入ったお酒をぐいっと煽った。その時、



「小伯爵様。第7皇女殿下に仕えるミカエリス・アグニトです。 私の主君が小伯爵に会いたがっております。」
「第7皇女殿下が私にですか?」
「はい。」
「私は今お金を作ることは難しいです…。」
「殿下は、小伯爵様の時間を決して浪費しないと伝えるように言いました。」


(第3皇女は私に会ってもくれないのに…。)

「しばらくの間だけならいいです。 案内してください。」
「こちらへ。」



…その二人の様子をロジーはじっと見つめていた。



ーーー・・・


「いらっしゃいませ、ルチアード小伯爵。」
「あ、アナイス・ルチアードが第7皇女殿下にお目にかかります。」

(なんで私を呼んだんだろう?)

「ルチアード伯爵家が皇室委任事業のために大きな危機に直面しているそうですね。私がお手伝いできると思います。
…第3皇女はその問題を解決する気がありません。 最初からもうすぐ魔晶石の採掘量の減少で価格が急騰するということを知っていましたから。
第3皇女はルチアード商会を滅ぼし、チャンスリー侯に商会安値で引き受ける計画です。まもなく大々的に推進される皇道再建築事業をチャンスリー商会に集中的に与えるためです。」

「あの···ちょっと待ってください。 チャンスリー商会って、帝国3大商団主の一つであり、第3皇女殿下に政治資金を提供している所じゃないですか。」

「そうです。今は品物を取り揃えるために関連事業体を買い入れようとしているところです。 ところがよりによって資金が底をついている状態です。」

「こんな事が···。 チャンスリー商会の作物の底が尽きた理由も大体分かりましたね。魔晶石を買いだめしたんじゃないですか?」

「そうです。買い入れた魔晶石をすぐに処分できず、一時的に資金難に陥りました。買いだめの事実が知られたら、彼らも困るからです。」

「はっ!うちの家門が魔晶石のせいでこうなったのに、第3皇女はむしろ買い溜めをするなんて···。私が愚かでした。 このような状況なのに、第3皇女からの手紙を待とうとしたなんて…。」

「あなたのせいじゃありません。 自分を責めないでください。これからは私が小伯爵をお手伝いしますので。」

涙を流すアナイスを慰めるイヴ。




「殿下は私たちの家門を救ってくださった恩人です!また、ご意見いただきました石鹸投資業も今後大いに期待できます!」

「それはよかった。小伯爵、これまで気苦労でまともに休めなかったでしょう。早く帰宅して休息するように申し上げたいけど、第3皇女の目と耳を誤魔化さなければならないので、もう少し舞踏会場に留まってほしいです。」
「はい、そうでなくても気をもんでいる姿をいっぱい見せてから帰るつもりでした!」
「立派です。じゃあ、お気をつけて。 小伯爵。」


ーーー・・・

アナイスが出て行った部屋で、イヴは一人になった。


(これくらいならチャンスリーが銭湯事業を持っていくことはないだろう。だとすると、ブリジッテがチャンスリーのために火気規制を緩和したために起きた、過去の銭湯の大火も防ぐことができるかも知れない。死傷者が300人を超える悲惨な事故だった。 そんなことが二度と繰り返されてはいけない。 このことがブリッジテを阻む第一歩になるだろう。)


「ふう。」

(そういえば、ミカエルは何してるんだろう? アナイスはもう行ったのに。)

「ミカエル、終わったよ。・・・ミカエル?」


応答はない。真珠貝の部屋の外に控えているはずのミカエルがいなくなっていたのだ!



→次回「皇女、反逆者に刻印する」25話へ



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