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悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「皇女、反逆者に刻印する」 35話

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引用:

皇女、反逆者に刻印する

あらすじ

人造人間「ホムンクルス」の反乱によって滅びたハーデルラミド皇室。第7皇女イヴは妹の裏切りによって1度は命を落としたものの、錬金術の力で8年前の世界で再び目を覚ます。 イヴが皇室滅亡の未来を変えるための方法―それは皇室を滅亡に追い込んだホムンクルスの王・ミカエルを自らの専属騎士にすることだった。 皇女と反逆者、前世ではすれ違ってばかりだった2人が向かう未来とは——!

本文

ミカエルは、リトバーとスノーレットから攻撃を受けボロボロになっていた。
剣は鞘から出さずにいるので受け身しか取れない。


(この場で取り返しのつかない怪我をしたら直ちに下位ランク行きだ。くそっ。剣さえ取れれば…。 本当に、皇女に狂うほど会いたい瞬間だな。)


「アグニト。私もこうしたくないけど···。左腕を失った方がまだましだろう。」

リトバーもこの状況に納得していないようだが、皇女達には逆らえない。
ミカエルに助言した。


(選択肢は二つだ。
一つは、黙って手足を差し出し、魔晶石の採掘場に連れていかれ、悲惨な死を遂げること。
もう一つは、剣を取ること。しかし今この瞬間の危機は免れるが、皇族殺害未遂罪という濡れ衣を着せられ、処刑されるだろう…。
どっちも最悪だが、それでも2番目が腹いせになるな。 忠誠洗脳のために皇族を害することはできなくても、彼ら専属騎士ぐらいは処理できるだろうから。
問題は···俺が事故を起こしたら、その責任はそのまま皇女に降りかかることになる。皇女を狙っている政敵には良い口実を与えることになるだろう。)


「………。」


ミカエルが考え抜いた答えは、左腕を差し出すことだった。


「ほら、勝手にしろ。」


(···人生で一度くらいは騎士らしく行動するのも悪くないだろう。つかの間でも私に外の世界を見せてくれた恩返しだ、皇女。)


「やらないのか?」
「……早く終わらせる。」

リトバーは素直に手を差し出したミカエルに戸惑って躊躇していたが、覚悟を決めたように剣を持っている手に力を込めた。



その時。
ミカエル達の周りに張っていた結界が壊され、耳をつんざくような轟音が響いた。
皇女達は驚き、音がする上の方を見た。


「な、なんだ!??…ひいっ!イヴ!!」


イヴが結界を破壊し、空から降りてきたのだ。
そしてミカエルとリトバーの間に降り立ち、リトバーを睨みつけた。



「控えよ。」
「リトバー・ベルマンが第7皇女殿下にお目にかかります! 」
「スノーレット・ウィントが第7皇女殿下にお目にかかります!」



リトバーとスノーレットは慌てて剣を収め、あいさつをした。
ミカエルはその光景を呆然と見つめている。


「……皇女?」


イヴは振り向き、ボロボロな姿のミカエルに心を痛めた。

(ミカエル…。私は本当に危ない瞬間に来たのね。)


イヴは第6皇女、第6皇子に向き直った。
二人はぎくりとし、バツが悪そうに目を逸らした。


「大体どんな状況なのかわかりますね。ステファニーお姉様とデレクお兄様がアグニト卿をこのようなところに呼びだして、いじめていたようですね。一体どんな言いがかりをつけたのか、本当に興味深いです。」
「言いがかりですって?誤解するような状況なのは分かるけど、そんなことはないわ!」
「そうだよ!お姉様と僕はただ、君の専属騎士に教えてあげてたんだよ!」


イヴはため息をつき、言った。

「へえ、教えですか。それはいいですね。 それでは、その教えというものをどのように与えたのか見てみましょう。
アグニト卿の手と膝を見ると、お姉様、お兄様は最初の挨拶をよりによってでこぼこした砂利の上で受けたようで。」
「あ、あの、それは…。」
「マナを利用した交戦があったようですね。 2対1であることはさておき、アグニト卿は剣を抜いてもいないようですが?そちらは剣技まで使ってとても本格的だったようですね?」
「そ、それは、ねえ…。」
「ひょっとして、アグニト卿が剣を抜いたら皇族殺害未遂罪に問おうとしていたわけではありませんよね?」



そしてイヴはミカエルの剣を拾い上げた。

「騎士が剣を手離しては、使えませんよ。」
「恐れ入ります、殿下。」
「受け取って。」
「はい。」
「アグニト卿、私は皇居生活をしながら深く悟ったことがあります。 皇居の中は紛乱の連続だということ。
そして、その混乱を無駄なことと思って避けようとしてはならないということ、この二つです。」



そしてイヴはミカエルに言った。


「命令です。私に剣を突き付けた二人の騎士を制圧してください。」

「な、なに!お前…今…!」



ミカエルは今度こそ鞘から剣を抜いた。


「命令に従います、殿下。」

「そしてお姉様とお兄様は………私が相手をしましょう。」


イヴは手を合わせてにっこりと笑った。




→次回「皇女、反逆者に刻印する」36話へ




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