アラサーOL、マンガを翻訳する

悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「皇女、反逆者に刻印する」 27話

スポンサーリンク


f:id:pikkomako:20210704174642j:plain

引用:

皇女、反逆者に刻印する

あらすじ

人造人間「ホムンクルス」の反乱によって滅びたハーデルラミド皇室。第7皇女イヴは妹の裏切りによって1度は命を落としたものの、錬金術の力で8年前の世界で再び目を覚ます。 イヴが皇室滅亡の未来を変えるための方法―それは皇室を滅亡に追い込んだホムンクルスの王・ミカエルを自らの専属騎士にすることだった。 皇女と反逆者、前世ではすれ違ってばかりだった2人が向かう未来とは——!

本文


リアンがイヴの前まで走ってきて叫んだ。

「皇帝陛下が、お部屋にいらっしゃるそうです!!!」



ーーー・・・


イヴの部屋である新緑の部屋には、陛下、ブリジッテ、ロジーとその専属騎士達が集まり机を囲んでいた。


(そりゃそうよ。陛下がお越しになるかと思ったら、 やっぱりお姉様達までお越しになった。
もう、この際ブリジッテの専属騎士でも確認しよう。 あまりに頻繁に取り替えるから混乱するんだよね。)


イヴはブリジッテの後ろに控えている専属騎士を盗み見た。


彼の名前はイライザ・八ルシュテン。

(彼は珍しく長い間ブリジッテの専属騎士の地位を守っていた。ブリジッテが彼との夜に満足したのが秘訣だという噂もあったんだよね···。)

イヴはもう一度ハルシュテンをちらりと見ると、目が合ってしまった。
そしてにこりと甘く微笑まれた。

イヴは恥ずかしさで赤くなり顔を横に勢いよく逸らした。

そのイヴの様子を見て、ミカエルはハルシュテンを睨んで圧をかけた。
しかしハルシュテンにはノーダメージだったようだ。
(この野郎…。)



ーーー・・・


ブリジッテが口を開いた。

「ところで、新緑の部屋は実に美しいですね。」
「それはもちろんですよ。 こんなに美しい部屋を私にくださって、陛下には感謝するばかりです。」
「ははは! 気に入ってもらえてうれしいな。 新緑の部屋を君にあげてよかった。」

(ロジーの気に障ったようね。確かに、お姉様以外は 名前のある部屋を持ってないからそうでしょうね。)


ジーが不機嫌そうな顔で言った。

「新緑の部屋を下賜されるなんて、イブお姉様が専属騎士を持ったことが非常に嬉しいようですね。私はイブお姉様が錬金術の功績でも立てたと思っていました。 こうなると分かってたら私も1年だけ持ちこたえて···」
「いい加減にしなさい。」
「…はい、お姉様。」

駄々をこねるロジーを、ブリジッテが制した。
そして陛下に話を振った。

「そういえば、陛下。功績というと思い浮かぶものがありますね。最近ハーデルラミドの再建築と開拓事業に関心があるそうですね。」
「それが君の耳にも入ったのか。 官僚たちは口が軽いな。」
「いいえ。ただ以前から予想していて興味があったものですから。」
「ほう、そうなのか。」
「はい、関連功績があれば必ず参加したいです。」


(ブリジッテはこの話をしようとここまで来たのね。 陛下には政治感覚を披露しながら、資金源のチャンスリー侯爵に収益性のいい事業を集中的にやろうと…私はただのお飾りね。)


ブリジッテは続ける。

「今の14地区は100年前からレグリオンの森の魔除けの役割をしました。 しかし、現在、東部は繰り返された討伐により魔数は消失しましたが、南部ではいきなり魔数による襲撃が増えています。なので今回も27地区に貧民を移住させ、これまで貿易路として市場価値が高まった14地区を使って、27地区の被害を緩衝しようとしているのでしょう?私は陛下の話を聞くや否や感嘆しました。」
「さすがベティだ。 すべて気が付くなんてな。」


(茶番ね。)
イヴは退屈そうにお茶を飲む。


「加えて、貧民たちの手で荒れ地も開墾できるのではないでしょうか。」

(いくら税金を納めない貧民だとしても、居場所を奪うだけでは足りず、新しい方策の動力として使って荒れ地を開墾させると?
···ダメだ。 我慢しなければならない。今出たら陛下の機嫌を損ねるから…。)



(ふぅん。イブ、長い間持ち堪えているようね。)
イヴの胸中を分かっていながら、ブリジッテはなおイヴを挑発する。

「陛下、スラム街の貧民も帝国の臣民です。貧民が移住を通じて立派な臣民になる方法があります。 一度聞いてもらえませんか?」
「言ってみろ。」
「今貧民たちに最も必要なものは家と働き口です。 移住地域の家を低金利で買えるようにし、皇室労役所に登録して仕事を提供すれば、毎月元金を返済できるはずです。」
「ふむ。家を与えて労役所に登録させ、働き口を与えるということか?」
「そうすると、彼らは臣民の義務を果たすことになりますわ。」
「ほほう、さすがだ。なかなかいい方法だな。」


(いい方法だって…? 登録を済ますと、税金を避けることができない。 方策の重労働に続き、お金まで取り立てて死地に追い込むなんて…!)

イヴはとうとう我慢できずに口を挟んだ。


「いいえ、そういうやり方ならスラムの住民は移住を拒否します。」


イヴの反論に、陛下は怪訝な顔をし、ブリジッテはにやりと笑った。




→次回「皇女、反逆者に刻印する」28話へ




↓ エピソード全話一覧はこちらです!(最新話から最終話まで)
www.picco-comic-netabare.work