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悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「お父さん、私この結婚イヤです!」 45話

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引用:

お父さん、私この結婚イヤです!

あらすじ

皆に嫌われる悪女「ジュベリアン」。 愛した恋人からも、たった一人の家族であるお父さんにも捨てられ、寂しく死んでしまった悪役…。 そんなジュベリアンに生まれ変わったって? こうなった以上仕方ない。 お父さんのお金を思う存分使って、派手なお嬢さんライフを送ろうとしていたのに、 サイコパスな皇太子が私の結婚相手だなんて! それなら方法はたった一つ、契約恋愛だけ。 その相手はお父さんの教え子がいいだろうと結論を出した。 その男が皇太子であることも知らずに…。

本文


深夜。

ジュベリアンはベッドの中でうなされていた。


ーーー・・・


『ジュベル、今からお母さんの言うことをよく聞いて。』
『うん。』
『今からかくれんぼをするよ。お母さんが出て来ていいって言うまで···あそこのクローゼットに隠れてればいいのよ。 わかった?』
『お父さんは?お父さんは鬼なの?』
『ジュベル!あの人はお前のお父さんじゃない!!絶対に彼にあなたの居場所を見られてはダメよ!! その人は怪物よ!!』
『ふええ。怪···怪物にジュベルがいるところを見つかったらどうなるの?』
『その時は…。』


そう言うと母は幼いジュベリアンの首に手をかけた。


次の瞬間、首に手をかけている人物は母ではなく皇太子に代わっていた。
そして皇太子が言う。

『お前が死ぬことになるだろう。』


ーーー・・・


「はっ!!!!」

ジュベリアンはバッと起き上がり目を覚ました。
首に手をやり乱れた呼吸を正す。


(夢…?!体の調子がまた悪くなったのかな…? 頭痛に悪夢まで···近いうちに主治医を呼ばないと。それより…お母さん…。記憶にもないお母さんが出てくる夢なんて···。)



ーーー・・・


「マクスミリアン、この無礼者が!その間の襲撃といい、よく殴り書きを送ってきたな!」


マクスからの雑な手紙に怒り狂う皇帝。

すると側にいた宰相が言った。

「陛下、フロエン公爵が到着いたしました。」



レジスは恭しく膝をついて挨拶をした。


「帝国の太陽にお目にかかります。」
「フロエン公爵! お前を待つことがどれくらい負担だったか知っているか?」
「恐れ入ります。近頃心配事があり…。」
「よい。今すぐ南部に行くように。」


(南部?南部だったらまさか···。)


「レノックス辺境伯※が逆心を抱いているようだ。奴は私を騙して陰で軍隊を徴集しているそうだ。」

辺境伯:他国と領土が接する一部の墳丘の領主を指す。



レノックス辺境伯とは、南部の覇者であり、優れた戦術家として絶えず傭兵を主張した者だ。
彼がこの頃軍隊を徴集した理由は、南部の隣国「ラゴン」の侵略に備えたものだが···。


(今回も鈍い皇帝は忠臣の状況が分かっていないようだ。この命令にまたジュベリアンと別れて南部に行くことはできない。)


「陛下、レノックス辺境伯は、今までラゴンから帝国を守護してきた者です。 どうして彼の忠信を疑いますか。」
「彼には君と違って"首輪"がないからな。私は君の忠心を疑わない。この首輪がある限りお前は私の味方になるしかないからな。でも、臣下たちが私に忠情を与えるという保証はない。気持ちとしては、君のように全員に首輪を付けてやりたい所だけどな。」



皇帝の言葉にレジスは顔を歪め歯を食いしばった。


(この帝国に貴様の死体が一片も残らないようにずたずたに切り裂いて殺したい。しかし、まだだめだ。 まだ···あの子を一人にできない。

愛する私の娘。私がつけた傷の中に閉じ込められているジュベリアン。 ただこの悪い父を愛した罪であらゆる不幸を私の代わりに被った私の娘。
ジュベリアン、私を一生憎んでもいい。

愛しい君に私がしたことが許されることがないということはよく知っている。 でもこれだけは分かってくれ···。
この父は今までただの一瞬も、君を愛していないことはない。 だから、どうか···もう少し待ってくれ。私にかかった首輪を切ることさえできれば、それで君を思いきり愛することができる自由を得るようになったら、私は···。)


レジスが思いを馳せていると、扉の外から声が聞こえてきた。


「父上!俺が来ました!」


そして扉の前にいた護衛を振り切って、マクスはレジスと皇帝がいる広間に入ってきた。


「会いたかったです。父上。」
「マクスミリアン!!おまえ···!来いと言った時は来ないのに。お前が送った手紙が今朝到着した! なのにどうしてもう着いたのだ?」
「父に会いたくて伝令を出して私もすぐ出発しました。はて、名残惜しいですが、もっと喜んで迎えてくれると思いましたが、怒っているようですね。」
「常識なしに攻め寄せてきたくせに歓迎を望んだのか!!」
「ああ、ところでお二人でどうされましたか? どうやら怨恨の話をしていたところだったようですね。どんな···話なのか···。すごく気になりますね、父上。」


マクスは皇帝をギロリと睨みながら言い、皇帝は震え上がった。


(ま···マクスミリアン、あいつ···! 幼い時は私と目も合わせられなかったのに···。見ないうちに、あんなに殺気立って育つとは···。 もしレジスを南部に送ったあと奴が何かしたら···。)



「皇太子殿下。陛下から密命を受けたところです。今すぐここから出て行ってくださればと思います。」
「敢えて私に命令するか。 フロエン公爵。」
「殿下こそ今出られない場合、皇命に逆らうことになるでしょう!」


(そうだな。私にはどんな場合でも無条件に服従する猟犬がいた。あの負け犬を牽制できるようにレジスをそばに置くしかない。南部は他の奴に行かせなければならないな…。)



ーーー・・・


アシェット帝国、皇城。



「何ですって!?!?皇太子が帰還したと?!」
「先ほど帰還し、陛下に謁見したそうです。」


(マクスミリアン、もう皇城に戻ってくるなんて。)


現皇后である、イザベラ・スティアー・コークルは怒りでぶるぶると震えた。


「こうなるまで間者は何をしていたんだい?!」
「それが···連絡が途絶えてから一週間ですので···。」
「役に立たない奴らね!すぐ目の前から消えて!!」


執事の男に小物を投げつけても怒りを抑えられない様子の現皇后。
すると部屋に現皇后と同じ髪色をした美しい娘が現れ、近寄ってきた。


「落ち着いてください、お母様。お兄様が帰ってきたそうなので、 歓迎の挨拶をしましょう。誰もあの方を歓迎できないように、です。」


そう言うと娘はうっすらと笑った。




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