アラサーOL、マンガを翻訳する

悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「お父さん、私この結婚イヤです!」 42話

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引用:

お父さん、私この結婚イヤです!

あらすじ

皆に嫌われる悪女「ジュベリアン」。 愛した恋人からも、たった一人の家族であるお父さんにも捨てられ、寂しく死んでしまった悪役…。 そんなジュベリアンに生まれ変わったって? こうなった以上仕方ない。 お父さんのお金を思う存分使って、派手なお嬢さんライフを送ろうとしていたのに、 サイコパスな皇太子が私の結婚相手だなんて! それなら方法はたった一つ、契約恋愛だけ。 その相手はお父さんの教え子がいいだろうと結論を出した。 その男が皇太子であることも知らずに…。

本文


「離しなさい!」


ミハイルはジュベリアンの毅然とした態度に驚き固まっている。

(そう、慌てると思うよ。 私がこんなに権威を誇る姿は初めてだからね。これまでは私より身分の低い彼にも同じ目線で接していたけど、もうそのように行動はしない。)

「放しなさいと言ったのに、同じ言葉を繰り返させるつもりですか?」


ジュベリアンの言葉にミハイルはやっと掴んでいた手を離した。


「同意なしに他人の体に強制力を行使するのは暴力ですよ。私以外の人にもこのような行動は慎んでいただきたいです。」


ジュベリアンはそう言うとくるりと背を向け、マクスに向き合った。

「用は済んだからもう行きましょう、マクス。」
「本当に終わりましたか?」
「ええ、大丈夫よ。」

「ジュベリアン!なんで俺じゃなくてあいつなんだ?今になって俺を無視する理由は?喧嘩はあいつが先に仕掛けたんだ! 学がない奴らしく無礼じゃないか! もしかして俺の関心を引くためにわざわざ選んだ男なのか?」


(え????私が何のためにそんな煩わしいことをするの?あ〜、2年間私が一方的に追いかけてたからまだあの時の私だと思ってるのかな?)

(学がないだと…?学ぶだけ学んだよ、この野郎が。)


ジュベリアンとマクスは心の中で各々毒づいた。
そしてジュベリアンは改めてミハイルに振り向き言った。


「ミハイル、私はもうあなたに関心がありません。」
「俺を愛すると言ったじゃないか。」
「そうです。しかし、今は違う。これからは話しかけないでください。 そっちと二度と関わりたくありませんから。」


ジュベリアンはミハイルに背を向けながらそう言うと、マクスにエスコートされながらその場を去っていった。


「…私たちももう行ったほうがいいと思います。」
「そ、そうですね、そうしましょうか…。」

気まずくなった令嬢達も足早にその場を去った。



ミハイルは一人、呆然と立ち尽くしていた。

(もう俺を愛していないって?二度と俺と関わりたくないって??ふざけるな!俺は同意できない!!)


するとベロニカが、怒りで震えているミハイルに駆け寄った。

「ミハイル、大丈夫ですか?」
「うるさい!くっつくな!!」

ミハイルはそう叫ぶとベロニカの腕を振り払った。
ベロニカはその衝撃で地面に倒れた。

(ミ、ミハイル…?どうして私にこんな風に···。)

ベロニカは先ほどお手洗いで聞いたジュベリアンの言葉を思い出した。

『私も利用されました。』

(あ···あなたも···そういうことだったんだ···。)

ベロニカは言葉の意味を理解し、涙を流した。

ミハイルにとってベロニカはもう用済みだった。
ミハイルは額に青筋を立てて一人呟く。


「ジュベリアン、俺は絶対にこのまま別れたりしない! 君は必ず俺をまた愛するようになるだろう。」



ーーー・・・


帰りの馬車の中、ジュベリアンは向かいに座っているマクスをじーっと見つめていた。

「?どうしてしきりに見つめるんだ?」
「言いたいことがあるので。」

(今日はなんとか無事に乗り越えたけど···木に登るのもそうだし、ミハイルと対峙するのもそうだし、彼は無謀で衝動的すぎる。この前のゴードン男爵事件の時と何も変わっていない。 しっかり矯正しなければならないわね。)


「これからは人前で行動に気をつけたほうがいいですね。」
「それで他の人の前で敬語にしたんじゃないのか?」
「いや、それじゃなくて···ミハイルとのさっきの出来事はですね、もしかしたら大変なことになってたかもしれないんですよ。」
「なんだよ。俺があんな弱虫にやられるほど弱そうに見えるのか?」
「いや、そういうことじゃなくて、貴族に触れたら···。」
「あんな奴が10人かかって来ても俺を倒せない! 俺は強いからな。」

脳天気なマクスにジュベリアンは頭を抱える。

(あぁ〜!実力はどうであれ相手は貴族なのよ! 平民のあなたが触れると死ぬ!! 首が飛ぶかもしれないの!!)


「あなたが弱いということではありません。 何かあったらどうするんですか。」
「何も起きないって。」


ジュベリアンの心配を全く気にかけていない様子のマクス。
するとジュベリアンは席を立ち、マクスの顔の横に手をドンと置き、壁ドンをした。

「私は、心配なんです!いくらあなたが強くても、自分の位置や能力を過信してはいけません。多数を敵に置いた瞬間、人々はその人が弱くなる瞬間を待ちますから。」


(小説の中で、私から見てもそうだった。 英雄の父を持ち、公女という身分だけど、 私の行動のせいで敵が多かったし、決定的な瞬間にみんな私に背を向けた。 そして残った選択肢は···死のみ。)


今にも泣き出しそうな顔のジュベリアンを見て、マクスはようやく折れた。

「…わかった。言うとおりにする。」
「え?………本当に理解したんですか? あなたの命がかかった問題なんですよ?」
「要は、貴族たちに攻撃や反撃をするなということだろう?」
「そうです!そう! あなたがあまりにも予測不可能だから、説得するのが難しいと思いましたが…頼みを聞いてくれてありがとうございます!」


ジュベリアンは急に素直になったマクスに嬉しくなり、笑顔でマクスの手を握った。
しかし顔を赤くしたマクスにすぐに手を振り払われてしまった。


(気に障る奴らは全員一発食らわせないと気が済まないんだが···でも、彼女が俺のことを心配するというから···俺が善処しよう。)


マクスはずっとにこにこしているジュベリアンにつられ、笑顔をこぼした。



ーーー・・・


翌日、フロエン邸にて。


マクスは昨日のジュベリアンの言葉でフロエン邸を訪れていた。

『今日の労いとして食事のもてなしをします!』


(それで二人きりで時間を過ごすと思って期待していたのに···。)


「あ、来ましたか?」

「…座りなさい。」

(まさか師匠もご一緒する席だとは。)


テーブルには既にレジスがおり、マクスに無言の圧をかけている。


「何してる。 ずっと立っているつもりか?」


(喜んでご一緒させていただきます…。)


マクスは苦笑いしながら心の中で呟いた。




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