アラサーOL、マンガを翻訳する

悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「お父さん、私この結婚イヤです!」 46話 【最新話】

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引用:

お父さん、私この結婚イヤです!

あらすじ

皆に嫌われる悪女「ジュベリアン」。 愛した恋人からも、たった一人の家族であるお父さんにも捨てられ、寂しく死んでしまった悪役…。 そんなジュベリアンに生まれ変わったって? こうなった以上仕方ない。 お父さんのお金を思う存分使って、派手なお嬢さんライフを送ろうとしていたのに、 サイコパスな皇太子が私の結婚相手だなんて! それなら方法はたった一つ、契約恋愛だけ。 その相手はお父さんの教え子がいいだろうと結論を出した。 その男が皇太子であることも知らずに…。

本文


レジスは宰相に見送られ広間を後にした。



(予想通りだった。)


『今後も帝国のために皇城を守ってくれ。』
『かしこまりました。』


レジスは先程の皇帝との会話を思い出しかすかに笑った。


(自分の子供が怖くて私を縛っておくしかないだろう。あんなに自分の父親を怖がらせるなんて、感心した。あいつのおかげで南部に行かなくてもいいな。)


廊下を進むとマクスが柱の影から現れた。

「フロエン公爵。少しお話がしたいのですが、よろしいですか。」



ーーー・・・


二人はマクスの部屋で向かい合って座った。マクスが頭の鎧を脱ぐと、レジスはさっそく話を切り出す。


「お話とは何ですか、 殿下。」



『皇居では、私と師弟の縁を結んだ事実を誰にも知られてはならない。』


マクスは師弟関係を結ぶ時に交したレジスとの約束を思い出した。

(やはり抜け目のない男だ。2人きりなのに、 油断しないな。)


「お父さんとどんな話をしましたか。」
「先程陛下の密命だとお答えしましたが。」


(………教えるつもりがないようだな。 それなら直接調べるしかない。)


「最近皇居の治安がうるさいですね。 私がいない間に刺客があったと聞きましたが。」
「殿下が気を使われることではありません。」


自分がしでかしたことをぬけぬけと語るマクスにレジスは冷たい目を向けた。


「ただし…。」
「?」
「まだ背後が明らかになっていないということだけお知らせします。」


(君が始めたことは"見逃して"あげるから、今すぐ"娘"と別れろ。)


レジスは言葉には出さなかったが目でマクスを射殺さんとしている。

マクスもその殺伐とした様子に顔を歪めた。


「息子として父親が危険なことに巻き込まれたことに気付いてはいけませんか? そういう意味で、先ほど父と交わした会話を隠すのも理解できないですね。フロエン公爵、皇居でのことはすべて私が知らなければならないことです。」


(忘れていると思いますが"師匠"、私は"皇太子"です。)


マクスのしたり顔にレジスも顔を歪める。


「孝心あふれる皇太子殿下に一つ忠言を申し上げますと、帝国のいかなる臣下も皇命に逆らうことはできません。 それがたとえあなたの懇請であっても、神は従うことができません。」


そこで言葉を一旦切り、改めてマクスをじっと見つめ言った。

「肝に銘じなさい、マクス。権力で他人を押さえつけるには、君はまだ位置も名声も弱い。これ以上言うことがなければもうお暇いたします。」
「……っ。」
「あ、行く前にお礼を言いましょう。殿下のおかげで、南部へ行かなくてよくなりました。だから………私の娘に近寄らないように。それでは失礼します。」


レジスはマクスに耳元でそう言うと、部屋を出ていった。


マクスは怒りで拳を握り、目の前のティーカップを払い飛ばした。


「くそ!!!計画通りにならないな!!」

そのティーカップを近くで控えていた騎士がキャッチしはしゃいでいる。


「ハハ、見てください! 私が守りました! なんと金の価格に匹敵する高いティーカップをですよ!」
「………。」


(必ず方法を見つけなければならない。本来は皇太子の名前で手紙を書いて、私が怖い存在ではないということを知らせる計画だった。しかし、師匠が『デレク、これから皇室から来る手紙という手紙はすべて私に持って来なさい。』…くそ。このままではジュベリアンに伝わらないのは火を見るよりも明らかだ。絶対だめだ。)


「しばらく出かけてくる。」
「どちらに?」
「フレジアに助言を求めに行く。」
「大抵の助言なら私もうまくやる自信がありますが。」
「ビクター。」
「はい、殿下。」
「偽物とばれたらただではおかないぞ。」
「は、はい…。」
「じゃあ俺は行く。」
「はい、行ってらっしゃいませ。」



(………。結局これを毎回させるということですか?)


マクスが出ていった後、ビクターは頭の鎧を床に投げつけた。

「ああ!このくそたれのよろい!!投げ捨ててしまえたらいいのに!」
「ビクター。」
「ぎゃあああ!!!」


出ていったと思っていたマクスはいつの間にかビクターの真後ろにいた。
ビクターは必死に言い訳を考える。

「あ···いや、殿下···そうじゃなくて、鎧がテカテカしてて滑ったせいで···。」
「家主にバレずに手紙を送る方法が何かあるか?」
「え??それをなぜ僕に…?」
「貴様が帝国最高の浮気者だと言ってた。」


(ええ!?僕がですか?令嬢たちと親しいとみんなこんな風なのか?)


「つべこべ言わずにお前が密愛相手に秘密の手紙を送る時に使う方法を早く言え。」



ーーー・・・


夜。


マクスは手紙を鳩の足に括り付け、鳩を睨みつけ呟いた。


「よし。突拍子もない所に飛んだらただではおかないぞ。 必ず彼女に直接伝えるように。肝に銘じておけ。」


鳩はマクスの睨みに怯えたように、物凄い勢いで飛び立っていった。


(あの手紙さえ読んでくれれば、彼女も安心できるだろう。)


マクスは鳩の飛んで行った方を見て、満足そうに笑った。






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