アラサーOL、マンガを翻訳する

悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「お父さん、私この結婚イヤです!」 34話

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引用:

お父さん、私この結婚イヤです!

あらすじ

皆に嫌われる悪女「ジュベリアン」。 愛した恋人からも、たった一人の家族であるお父さんにも捨てられ、寂しく死んでしまった悪役…。 そんなジュベリアンに生まれ変わったって? こうなった以上仕方ない。 お父さんのお金を思う存分使って、派手なお嬢さんライフを送ろうとしていたのに、 サイコパスな皇太子が私の結婚相手だなんて! それなら方法はたった一つ、契約恋愛だけ。 その相手はお父さんの教え子がいいだろうと結論を出した。 その男が皇太子であることも知らずに…。

本文


(今まで私を信じてくれる人は···一人もいなかったのに···。)


「その···元々詐欺っていうのは、信じていた人が騙すんです。」
「そうか?」
「こんなに世間知らずとは…。ですから、近い人だと安心して契約してはいけません。 必ず、契約書を書く! 分かりましたか?」
「…分かった。」


(本当に分かったのかしら…。そうだ、私が契約恋愛している間に多くのことを教えてあげよう。)


「ではまず…。」
「!?!!」


ジュベリアンは急にマクスの首元を掴み引き寄せた。そして。

「私たち、契約書を書く前に···口裏を合わせましょう。」
「な、なんの!?」


マクスは顔を真っ赤にして慌てて離れたが、ジュベリアンが再び近寄った。


「ちょっと近くに来てください。 重要なことだから。」
「あ···まだそこまでは、早い···。」



(いきなり実践か?いや違う…そうだな、実戦も重要だよ。結局、こうなるんだ。 俺の初······キス。)


マクスは目を閉じて覚悟を決めた。
が、いつまで経ってもキスは来ず、代わりにジュベリアンの小さな声が耳元で聞こえた。


「私の護衛のジェラルディンなら、どうやって会ったのかと疑いを持つと思うので、前もって口裏を合わせなければなりません。」


その時ガタンと馬車が揺れ、ジュベリアンの気がそれた内に、マクスは真っ赤な顔を平然としたような顔に戻した。


「あ、ごめんなさい。 急に馬車が揺れて。ん?」
「そうだな、事前に合わせないと。 そうだよな。」
「今、暑いですか? 顔色が···。」
「いや···違う! それで計画って何だ?」

ーーー・・・


フロエン公爵邸。


「お嬢様、説明してくださいませんか? 一体これはどういう状況なんでしょうか?」
「ごめんなさい。紹介が遅くなりました。私の『恋人』です。」

「「「!?!!!」」」


騎士達は皆揃って驚く。

「私たちはお嬢様を常に警護していましたが、一度も卿を見たことがありません!一体どこでまた!」
「顔だけ見て選んだんですか!?」


騎士達は過去のミハイルの件で、ジュベリアンの男を見る目がないのは確信していたので、マクスの事も同じような男だと思っていた。


「ふふ。卿が知らなかったのは当然よ。 彼に会ったのは、以前あったマイゼン伯爵家のパーティーだもの。」
「マイゼン伯爵家のパーティー?まさか…貴族だったのですか。」

(確かに身なりは傭兵のように見えて地味だ。 どの家門の令息だろう?)


「もちろん、彼は貴族ではなく、雇われた傭兵の一人でした。」


(傭兵!!?まさかと思ったけど本当に?? 本当に傭兵だってことか?)


ジュベリアンの言葉を聞いて騎士達は各々顔を青くしたり天を仰いだりしている。


「ただの"傭兵"である者がお嬢様と親しくなったきっかけがとても知りたいですね。」


ジェラルディンの好戦的な態度にマクスもいらついていた。

(敢えて"騎士"の者が俺をあんな目で見るとは。俺の顔を知っているのは師匠と俺の部下だけだから···こんな時は本当に腹が立つな。 ···でも我慢しよう。 彼女の計画通りに進むには···。)



ーーー・・・


先程の馬車の中にて。


『絶対嫌だ!!!普通は反対じゃないか?! 俺が君を助けたというほうが…。』
『それはだめです。私の側にはいつも騎士がついているのは知っているじゃないですか。 あなたが助けてくれることは話になりません。最初は難しいと思いますが、いざやってみたら大したことないです。 横で相づちをうつことはできますよね?』
「…分かった。」



ーーー・・・


ジュベリアンが騎士達に堂々と言い放った。


「私が彼を救ったんですよ!」


(((うん!?!?)))




〜ジュベリアンの偽りの劇場〜

当時、彼が何人かの貴族の令嬢に取り囲まれて困っていたが···私が。

『皆さん〜。ミハイルを見ませんでしたか?』

···と切り出すやいなや、 みんな私を見て逃げたんです。 するとこの人が私が恩人だといいながら恩返ししたいと言ってきたのです。




「「「……………。」」」

「確かに···でもお嬢様が救った···?」
「 怖そうだけど、実は中身は弱いタイプ?」


(納得するな! 勝手に解釈するな!)


マクスはあっさり納得してしまった騎士達に心の中でツッコミを入れる。



「その当時、私も彼が嫌いではありませんでした。 そして運命的にアルロ伯爵家のパーティーでもう一度再会し、今回もアーケード街で彼と会うと『ああ! この人なんだ…!』と思うことがありますよね?ではマクス、行きましょうか。」


(縁も何も顔に惚れたんじゃないか!? ジュベリアン! お前、本当に今回もまた!)


「ちょっと待って。表情を見ると、私の恋人が平民だと無視してるんですか?」
「いや、そうじゃなくて。」
「違うって、何が違うんですか。 さっきから卿たちの恐ろしい表情を私が見てないと思いますか。」

ジュベリアンは少しふくれたように騎士達に言ったが。


(((お嬢様、後ろを見てください! 後ろを!!さっきから目だけで私たちの悪口を言っているあいつを見てください!!)))


ジュベリアンからは後ろに立つマクスの恐ろしい顔は見えないようだった。


(···しかし、卿の漂う気配が尋常ではない。一体、正体は何だ? なんだか見慣れた気配のような気がするのは一体···!!)


ジュベリアンは未だにもやもやしている騎士達を置いて邸宅に向かった。


「あら、手が震えていますね。 大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。」


(しかし、気分悪くはないな。)


マクスは珍しく笑いながら、ジュベリアンと手を繋いで邸宅に足を踏み入れた。
その時。

ガシャンとガラスの割れる音がした。


「ジュベリ……アン?」
「お父さん。」


ジュベリアンはにっこりと笑って隣にいるマクスに目を向けた。



「正式に挨拶します。私が愛する人です。」



レジスの青ざめた表情と、ジュベリアンの満面の笑みを見て、マクスは苦笑いを浮かべた。


(命がけの恋だな···。)








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