アラサーOL、マンガを翻訳する

悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「悪女は2度生きる」 75話

スポンサーリンク


f:id:pikkomako:20210703021458p:plain

引用:

悪女は2度生きる

あらすじ

謀略の天才、皇帝を作り上げる! ”お兄様が成功すれば、お前も成功するのよ” それを信じ、あらゆる悪事を企てた悪女「アルティゼア」。 しかし、彼女の兄への忠誠は裏切りとして返ってくる。 死を前にした彼女に手を差し伸べたのは宿敵であり、正義ある大公「セドリック」だけだった。 魔術で命と引き換えに18歳の自分に生まれ変わった彼女は、「セドリック」を皇帝にするために新たな人生を捧げることにするがーー

本文

「殿下!これを使ってください!」


リシアはそう言いセドリックに槍を投げ渡した。
すると巧みに槍を操り、槍をカラムの心臓に突き立てた。
セドリックは残りのカラム達も倒した。

「死傷者を乗せて出発する。 村に引き続き移動する。」
「「「はい!」」」


リシアはティアが乗っている馬車に向かい、扉を開け、手を差し伸べた。

「リシア…?」
「急がなければなりません。」


そしてティアはリシアと共に馬に乗り換えた。
ティアは周りの様子を見た。
死者には布がかけられ、馬車の荷台に乗せられている。負傷者も何人もおり、うめき声が聞こえ、ボロボロになり足を引きずる者…。
ティアは言葉が出なかった。



ーーー・・・


近隣の村にて。


「具合はどうか。」
「肘の上までカラムの爪の毒が上がり、傷口を切り取りました。ずっと放っておいたら筋肉が壊死したでしょう。」

コリンがうなされているのか唸り声をあげた。セドリックが優しく喋りかけた。

「コリン、大丈夫だ。もう何もないはずだ。」




その頃ティアはリシアに手伝ってもらい風呂に入っていた。

「どうやってここに…?」
「昨日の午前中にカラムの小部隊がいくつか発見されたという報告が入りました。」
「トルドを···越えて?」
「トルド山脈が険しくもあり、トルド関門を除けば軍事が移動できるほどの道がないですが、山脈を越えるのが最初から不可能でもありません。
狩人や薬草師はかなり上手で、カラムや交易商にも通っています。個人的に超える場合は見逃してあげています。 交易もそうして行われています。
どうせ言葉が通じなくて、外見が違ってスパイをすることは不可能ですから。カラムとエブロンの間の一種の合意に近いことは近いです。
しかし···。40人近い集団が山脈を越えてきたことは、かつてありませんでした。」


(それでセドリック様は最初に脅威用射撃をしたのかな···。最初から騎士が保有していた銃は、射程距離が短く威力の弱い副武装に過ぎなかった。
急所を的中させない限り、カラムにとっては脅威ではなかった。それでも発砲させたのは、銃声を聞いてカラムが反応するのを見るためだろう。
しかし、カラムたちは驚いてばらばらになる代わりに、身を低くして走ってきた。 全員戦死階級に間違いなかった。)


「偵察部隊をあちこちに送りました。 その後、妃殿下が気になって。妃殿下の馬車がもしカラムと出会えば逃走が不可能で、大公殿下が連れて行った騎士団の装備はすべて狩り用でしたから。着ていらっしゃる服も、乗っていらっしゃる馬車も気になったので···。」
「リシア···そういう必要なかったのに。」
「………。あったじゃないですか。」


ティアは風呂から上がりリシアと共にセドリックの元へと向かった。

(何人が死んだのだろうか。)



ーーー・・・


「ティア!怪我はありませんか。」
「私は何ともありません。それより…。」
「死者は6人、負傷者は7人で、その内2人は重症です。」

(まともな装備なしに20人で2倍の数のカラムを相手にしたことを考えると、···善戦したといえるだろう。)

セドリックは部屋にいた騎士達に言った。

「適切な時に支援に来てくれてありがとう。 もう少し遅れたら大変なことになるところだった。」
「モルテン男爵のおかげです。 偵察兵は大部分すでにカラム部隊が目撃された方へ動いていました。」
「妃殿下を出迎えるために馬車や服などを持って動いているうちに、喧嘩の音を聞いたんです。」
「お疲れ様、リシア。」
「当然のことをしたまでです。」
「···おかしいな、どうして戦士階級がこんなところを歩き回るのか疑問だな。」
「それは今調べているところです。」


セドリックとリシアの話を聞きながら、ティアは疑問に思った。

(記憶上では、今年は戦争のある年ではない。だからといって帝国内部の状況が変わったことがカラムに影響を与えたはずがない。 カラムとそれほど緊密に意思疎通できる者はいないから。)


「今日はまず休んだほうがいいな。 君たちも帰って休みなさい。」
「はい、分かりました」


リシアや騎士達が部屋から出ていくと、セドリックは椅子に深く腰かけ、ため息を吐いた。


ティアはセドリックの様子に罪悪感を抱き、下を向いた。

(セドリック様···。 全部、私のせいで···。)



じっと下を向いていると、いつの間にかセドリックがティアの前に立っており、ティアを抱きしめ言った。


「しばらく…このままでいてください。」



→次回「悪女は2度生きる」76話へ



↓ エピソード全話一覧はこちらです!(最新話から最終話まで)
www.picco-comic-netabare.work