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悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「悪女は2度生きる」 76話

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引用:

悪女は2度生きる

あらすじ

謀略の天才、皇帝を作り上げる! ”お兄様が成功すれば、お前も成功するのよ” それを信じ、あらゆる悪事を企てた悪女「アルティゼア」。 しかし、彼女の兄への忠誠は裏切りとして返ってくる。 死を前にした彼女に手を差し伸べたのは宿敵であり、正義ある大公「セドリック」だけだった。 魔術で命と引き換えに18歳の自分に生まれ変わった彼女は、「セドリック」を皇帝にするために新たな人生を捧げることにするがーー

本文

「ティア、私が正しいと思いますか?」
「え?」
「負傷兵の傷をふき取って慰めて···そんなことをするたびに、私が邪悪な偽善者と感じてたまりません。」
「なぜ···そう思いますか?兵士の命を紙で作ったチェスの言葉のように考える者はいくらでもいます。 数字で扱いながら減るのがもったいないと思う人まで。しかし、セドリック様は兵士の一つ一つをすべて記憶して、最後まで面倒を見てくださるんですよ。」
「………。コリン卿をここまで連れてきて戦わせたのは私です。」
「セドリック様に従うことを決めたのはコリン卿です。騎士が忠誠を尽くしたので、セドリック様は主君として彼を誉めてあげればいいのです。」
「はい、私は忠誠心をもらっています。」
「セドリック様…。」
「私がうまくやりこなすほど兵士たちは私に命をかけるでしょう。」
「忠誠を願うために偽善的にそうするのではなく、心から湧き出てそうするのではないですか。」
「しかし結果は全く同じです。」

セドリックは俯き、暗い顔をして続けた。

「時々私は···兵士たちに私のために死ねと言っていると感じるのです。不幸な結果を生む善意にも価値があると思いますか。 犠牲しか残せなかった義理のある過程にも意味があるのでしょうか。」
「セドリック様…。」
「みんなの手を離した方がいいんじゃないのか。 私に他の人を犠牲にするだけの価値があるのか…。」


ティアはセドリックの頬を撫でた。

「説明するのは難しいですが…。」
「ティア。」
「セドリック様のために死んでも、後悔しないと疑わないでしょう。」

(本当の偽善者、本当に悪い者を知らないから、そんな考えをされるのです。)


セドリックは頬にあるティアの手をぎゆっと握った。


ーーー・・・


明朝、村長の家の庭にて。


死者達に向かい、セドリックと騎士達が黙祷をした。

「本城から死者を運ぶ人が後に来るだろう。」
「はい。」

村の村長はセドリックに頭を下げた。



すると騎士がセドリックに駆け寄ってきた。

「殿下!のろしが上がりました。 トルド関門方向です。」

(のろしが一つだったら境界、二つは局地的衝突、三つだとカラムの大軍が押し寄せていることをを意味する。そして四つののろしは···今すぐ決定権を持つ者の指示が必要だという意味。)

向こうの山から上がっているのろしは四つだ。



ティアは緊迫した空気を察知した。

「戦争ですか?」
「確かではありません。それよりも、カラム内部で問題が生じた可能性が高いです。 それなら、あちらでも総力戦で出ることはできないでしょう。」
「内部で、ですか?」
「カラム内部にもいくつか勢力があり軋轢があります。ここ数年は、それなりに穏健派が主導権を握っていたと聞いていたのですが···。」

険しい顔をするティアに、セドリックは優しく言った。

「あまり心配しないでください。 まだ戦争が起こったという意味ではないですから。ティアは本城に行ってください。 軍事的な問題はアガテ子爵に任せればいいです。一時的な処置だけして置いて来ましたので、よろしくお願いします。」
「はい。」


そしてリシアを呼び寄せた。

「リシア、君を信じる。ティアの側にいて。」
「はい。モルテンの娘が命令に従います。」


そしてもう一度ティアの方を向き、両肩に手を置いた。

「ティア、私はあなたを信じます。 だからあなたも私を信じてください。あなたがするすべての事が私の責任です。 私たちは一緒に行く時に、本当に正しい道を捜すことができるはずです。」
「はい。」
「では、行ってきます。」


そしてティアを抱きしめると、セドリックと騎士達は馬に乗り、のろしが上がっているトルド関門の方へと向かった。


ティアとリシアはセドリック達を見送った後、本城へ向かう為馬車に乗り込んだ。


「リシア。セドリック様はいつも負傷者の治療を自分でするの?」
「はい、そうだと思います。 軍医がいるときは、もちろん軍医が優先です。少年時代に初めての戦争を16歳にもならない前にされたんですから。 その時には直接前線に出られなかったから、こんなことでもすると···。」
「そうなの…。」


(皇帝がセドリックの両親を皆殺しにしたにもかかわらず彼を生かしたのは、エブロンを瓦解させないためだった。
もし大公家の子孫をすべて失っていたら、エブロンは帝国の一部であることを諦めただろう。
しかし、幼い主君がいたので、エブロンは一つに団結することができた。
セドリックは常にその重さを背負っている。
『私に他の人を犠牲にするだけの価値がありますか。』
昨日そう言って悲しそうな顔をしていたセドリックのことを、ティアは思い出した。)


ティアが黙っていると、リシアが問いかけてきた。

「悲しんでいましたか?」



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