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悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「悪女は2度生きる」 73話

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引用:

悪女は2度生きる

あらすじ

謀略の天才、皇帝を作り上げる! ”お兄様が成功すれば、お前も成功するのよ” それを信じ、あらゆる悪事を企てた悪女「アルティゼア」。 しかし、彼女の兄への忠誠は裏切りとして返ってくる。 死を前にした彼女に手を差し伸べたのは宿敵であり、正義ある大公「セドリック」だけだった。 魔術で命と引き換えに18歳の自分に生まれ変わった彼女は、「セドリック」を皇帝にするために新たな人生を捧げることにするがーー

本文

「契約をなかったことにしたいです。 ティア。契約等と関係なく、私がしたプロポーズをそのままプロポーズだったことにしてください 。」
「セドリッ…」

するとセドリックは手でティアの目を覆った。

「左手をください。」

セドリックはティアの左腕にブレスレットを着けてあげた。

(これは…。)


「ローサン侯爵様、私と結婚してくれますか?もう結婚式まで行ってしまったので、意味のない言葉ですけどね。ただ…言って見たかったんです。」
「………はい。」
「前にあなたが···私に何かを隠しているように見えて疑惑が生じたら、理由をもう一度聞いてほしいと言ったでしょう?
代わりに私もお願いします。 私たちがお互いに食い違うことがあっても、もし私に疑惑が生じたり、逆に疑惑を感じたりしたとしても、今から言うことを忘れないでください。
あなたがどんな人であろうと、どんなことをしようと、たとえ私の心臓に短刀を突きつけたとしても。 私の妻はあなただけです···ティア。返事は?」
「分かりました…。」

セドリックは手を退け、ティアにキスをした。

「先に寝ててください。起きたら本城に出発しなければなりません。」
「セドリック様は···。」
「ちょうどストーブに薪を補充したところですから。 火が燃え移るのを確認しなければなりません。」
「はい…。」

セドリックはしばらくして、眠っているティアの横に潜り込んで、そっと抱き締めた。
そして小さい声で呟いた。


「望んでいると思った女性は、あなたが最初で最後です。 前にも、後にも。
…もしもう一度人生が訪れたとしても、同じでしょう。」


ーーー・・・


翌朝


「不便なところはありませんか。」
「大丈夫です。」
「雪のために整備が行き届いていないので、道が険しいと思います。 馬車も大してよいものではないですし…。」
「···大丈夫です。 早く帰って休んだ方がいいと思います。 本城のことも心配です。」
「理解してくれてありがとうございます。」


するとティアは伏し目がちで喋り出した。

「あの、お話したいことがあります。」
「南海の人に関する話ならあえて説明しなくても大丈夫です。 あなたは理由のないことをする人ではないですから。」
「それ以外に、昨日の夜に···信頼が虚像だと言ったことに対してお伝えしたかったんです。
私はセドリック様の信頼が虚像の上に建てられたと思ったことはありません。 裏切りはどこでも起こりうるというのが私の考えですが···それでも、エブロン大公領の人々は本当に裏切らなかったのですから。
ただセドリック様とエブロンのための考え方を違うように考えているだけです。」
「···人の考え方は全部違います。 わかります。今更のように実感しただけです。しかしご心配なく。 私は、まだ善意も正義も信じていますから。」

セドリックはにこりと笑いかけた。

そしてティアは馬車に乗り込み、セドリックは馬に乗り、本城へと進んだ。


ーーー・・・

しばらく進むと、開けた所に出たので、一行はそこで休むことにした。
セドリックは馬車の中にいるティアを出迎えた。

「ちょっと休みましょうか?」
「先に行かれても大丈夫ですよ。本城は臨時措置だけして来たんじゃないですか? 一人で行かれたら時間をはるかに短縮できると思いますが。」
「急ぐことはありません。あなたを助けに行くと言って走って出ていったのに、一人で帰るのもおかしいじゃないですか。 そして···あなたがまた私を避けたいからだとみんな誤解すると思います。」
「そんなことはありません。」
「ティア。私は気が利くわけでもないですが、だからといって完全に鈍感というわけでもありません。あなたが私をリシアに押し付けようとしたということを知らなかったと思いましたか。余計な考えはしないでください。 リシアに迷惑です。」
「はい?私が何をしたとおっしゃるんですか。」
「夫にお茶をもてなすように、日の浅い侍女に押し付けました。 そんなことは仲の悪い政略結婚の時によくあることだと思いました。」
「それは…。」

セドリックはティアをジト目で見つめ、ティアは気まずそうに目を逸らした。




リシアが聖女になってから5年後のことだった。セドリックは、リシアが謀反者の村の出身だと知りながらもプロポーズし、リシアはそのプロポーズを受け入れた。

しかし、皇后になるという信託を受けることになると、セドリックが被害を受けることを恐れたリシアは婚約を破棄した。もし私が信託を操作していなかったら、2人は結婚して共に大公領を守っただろう。

リシアとローレンスが結婚すると、セドリックは首都を離れて2度と戻ってこなかった。そして一生、前にも、後にも他の女性と一緒にならなかった。



(結局、今回もリシアからセドリックを奪ったことになる。今度も時間が経てば彼の心はリシアに傾くだろうか。 もしかしたら今回は…違うかもしれない。
未来はもう変わった。 この結婚は本物の結婚として成立してしまった。一生、ひたすらリシアにだけ心を与えた男はもういない。
彼は私を愛している。だからもう少しだけこのままで。 セドリックの気持ちが離れないまででも···。)



「私を他の人に譲ろうと努める必要はありません。 私の勘違いならいいのですが。そんなことは私にとって全くもって間違っていることです、ティア。」


セドリックは、考え込んでいたティアの頬に手を添え、言い聞かせるように優しく言った。



→次回「悪女は2度生きる」74話へ



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