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悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「悪女は2度生きる」 69話

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引用:

悪女は2度生きる

あらすじ

謀略の天才、皇帝を作り上げる! ”お兄様が成功すれば、お前も成功するのよ” それを信じ、あらゆる悪事を企てた悪女「アルティゼア」。 しかし、彼女の兄への忠誠は裏切りとして返ってくる。 死を前にした彼女に手を差し伸べたのは宿敵であり、正義ある大公「セドリック」だけだった。 魔術で命と引き換えに18歳の自分に生まれ変わった彼女は、「セドリック」を皇帝にするために新たな人生を捧げることにするがーー

本文

「リシア。心配するな、ティアは大丈夫だ。」
「そうではありません。これを…」
「これは…。」

リシアの手にはセドリックがあげたブレスレットがあった。

「妃殿下のベッドの側に置かれていました。 いつも着けていたものですが···必ずお返ししてください。」
「分かった。」

そう言うとセドリック達は馬に乗り真冬の夜を駆けて行った。

(ティア…!)



ーーー・・・

ティアは毛皮で頭まで隠され、カドリオルに荷物のように抱えられていた。
そしてある家まで行くと、中には拘束された住人がいた。

「住人か?引っぱって連れて行け。」


ティアは床に下ろされ、寒さでブルブルと震えた。

「そんな体をして、よく北部の人と結婚するつもりだったな。」
「カドリオル殿下が···構うことでは、ございません…。」
「そんなに震えているのに、構わずにはいられない。さあ、飲んで。」

カドリオルは暖かい茶をティアに渡した。
熱さで落としそうになるのを、カドリオルがティアの両手を包み込んで防いだ。

「気をつけて。熱いから。」

ティアはゆっくりお茶を飲んで、言った。

「私をどうなさるつもりですか。」
「はて、どうしよう。元は妻に娶るつもりだったが…。」


(どうやって過去に戻ったのかまったく見当がつかなかった。一ヶ月にわたって分かったことは、この記憶を持っていることが自分だけだってこと。 それで彼女に覚えがない可能性が高いと思った。
それなら正式にプロポーズするつもりだった。ローレンスが皇帝の息子であることを考えると、ちょうどよい相手だったし。ローレンスもエイメルとの同盟を拒絶することはなく、一度結婚して手中に収めると、その時から心配する必要はなかった。
前のように彼女の才能を開花させ策士として、また、妻として俺に献身させるつもりだった。 彼女が俺を愛するようにする自信もあった。 世の中で一番大事な人のように接してくれて、愛してあげればいいじゃないか。 今は愛情に飢えた18歳の少女に過ぎないから。
都を訪ねた時にはもう遅かったが…。)


「侯爵がすでにエブロン大公と結婚して去ったというから、どんなにあきれたことか…。
それで、侯爵にも記憶があるという事が分かったよ。 どこまでかな? 君の記憶は?」

ティアは目を伏せて答えた。

「死ぬ瞬間···です。」
「 ローレンスに裏切られたか。まあ、予測された結末だった。侯爵がローレンスを操り人形にして政権を直接握らなければならなかった。残念だな、もし俺が見てたら痛快にあざ笑ってやっただろう。
だから俺が言わなかったか? ローレンスを捨てて俺のところに来いって。信頼していた人に裏切られるのはかなり辛かっただろう。」
「ローレンスを信頼したことはありません。」
「そこで、今回は信頼できる人に選んだ主君がエブロン大公か? それとも聖女か?」
「…………ご用件をどうぞ。ここまで来られたのだから重大な用件があるでしょう?」


(復讐心のためであれ、脅威のためであれ、わざわざこうして直接来る必要はない。首都に来るのを待って暗殺者を送った方がいいのに···本城で私を捕まえた時に殺してしまえばいいのに、私を攫ったのは、一体どうして…?)



「用件はただ一つだ、ローサン侯爵。」

そしてカドリオルはティアの手を取り言った。


「俺のものになれ。」



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