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悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「逆ハーレムゲームの中に落ちたようです」 54話 【最新話】

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引用:

逆ハーレムゲームの中に落ちたようです

あらすじ

目が覚めるとベッドに見知らぬ裸の男たちが!? そう、誰かがプレイ中の逆ハーレムゲーム内の悪女に乗り移ってしまったのだ! 不思議なことに、ゲームのプレイヤーの選択肢と選択内容を盗み見ることができてしまう。 そして、ゲームの主人公であるユリエルが、悪女キャラである自分の愛人たちと親密になり、最終的に自分を殺すつもりであることを知ってしまう… 果たして死を免れ、ゲームの中から無事に脱出することができるの!?

本文


シガーはパンや食料を持って弟たちのいる家に帰ってきた。
三人の弟と妹が嬉しそうにシガーを出迎えた。


「「「シガーお兄ちゃん!」」」
「仲良く遊んでたか? 何事もなかったか。」
「兄さん、今日はすごく早く来たね。」
「皇城での用事を済ませてきたからな。 配置が調整されている間は、勤務がゆったりしていると思う。」
「じゃあ、今夜は兄さんと一緒にいられる?」
「わあい!」
「ところでスンはどこに行った?」
「騎士様!大変なことになりました!」



ーーー・・・


リアはマントを被り街を歩いていた。


(どこから始めればいいのだろうか。エイデンフラン?もう手放しで待ってばかりいるつもりはない。一旦…)


「ん?」

リアは財布がないことに気がついた。
そして真後ろで今しがたすれ違った少年が捕らえられて暴れている。


「離せ!!」
「お前、俺に返すものあるんじゃないか?」
「そんなものないよ!!」
「後悔するような答えはしないように。しらばっくれてばかりいると子供といえども…。」


カイロスが少年を脅そうとしているのを見てリアが間に入った。

「ちょっとよろしいですか?今その子が持っている財布は私のものです。 しばらくの間私にも話させてください。」


リアは少年に向き直り、膝をついて諭すように言った。

「よく聞いて。盗みをするのが悪いことなのは知っているでしょう?人の物を盗むだけでもやってはいけないことだけど、それよりもっと大事なものがあるのよ。 それは誰かと堂々と向き合うことができなくなるってことよ。今あなたが私の顔を見られないようにね。 心配しないで、まだチャンスはあるから。」

少年はずっと俯いていたが、リアの言葉に顔を上げた。

「……!」
「あの人から盗んだものを返してくれる?」
「···他のところに隠しておきました。」
「待ってるよ。」


リアがそう言うと少年はどこかに走っていった。


カイロスの側近がカイロスにこっそり耳打ちした。


「ところでカイロス様、いったいあのちびに何をすられたんですか? どうせ無一文じゃないですか。」
「うん?大したことないよ〜。ロスチャイルドの証?」

カイロスの言葉に側近は顔を青くさせた。

「!??何ですって??」
使節団の贈り物として持ってきたものなのに。 困ったことになったな〜。」
「うわああああ!!!!!」


カイロスの側近は叫び声をあげながら少年を追いかけていった。


「いってらっしゃーい。」
「??」


リアとカイロスは二人きりになった。
リアが少年が消えた方向を見ながらカイロスに言う。


「子供が戻ったら、これ以上の過ちは問わないようにしましょう。」
「その子が帰ってこなかったらローブを脱いでくれるってことで、どう?」
「お断りよ。」
「タメ口??」
「そっちが先にタメ口を使ったのに、私が尊敬する理由があるの?」


(···頭が痛い。 出てきたばかりだけど、染毛剤のせいかな?)

デイジーが魔法薬ではないから少しきついかもしれないと話していたことを思い出し、リアは額を押さえながらちらりと隣にいる男を見た。


(それとも、隣でしばらく騷ぎたてたこの男のせいか。自然に目下の者に接するような態度に、貴族の中でも珍しい華やかな顔、それに付き従う侍従まで。一度も見たことのない顔だけど。 私の誕生日の宴会に来なかった若い貴族がいたのかな。)


「なんでそう見るんだ? 私に関心でも生じたか?」
「違うわ。」


(どうしようか。………まあ、そこまで気になることは···。)

カイロスはリアに伸ばしかけた手を引っ込めた。
すると側近が帰ってきた。


「戻りました。」
「ちびは?」
「怪しい者がすぐ前の路地に引きずって行きました。」
「そのままにしたのか?」
カイロス様が盗まれたものはその前に返していただきましたので。私の仕事はカイロス様を守って補佐することであって、他国のスリを守ることではありません。」
「ふむ。」



(おかしい。そんなに遠くに隠しておくはずがないのに、どうして帰ってこないんだろう···?)


心配そうにしているリアを見て、カイロスは言った。


「そのちびは来ないだろう。」
「…!」
「この前にある者が連れて行ったようだから。盗まれた物ならこいつが持ってきたよ。もうあのスリ坊やは忘れて俺と……」


リアはカイロスの話が終わる前に少年が消えた方向へと走った。

そしてその先の路地裏で少年が誰かに殴られそうになっているのを見つけ、叫んだ。


「今すぐ止めなさい。」








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