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悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「姉が男主人公を拾ってきた」 52話

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引用:

姉が男主人公を拾ってきた

あらすじ

エイミーが16歳になる日の朝、姉が男の子を拾ってきた! この展開、まさに前世で読んだ小説のワンシーン… 記憶喪失のこの「男の子」こそ、古代の魔法にかかった主人公のリノク! 小説ではリノクの名付け親となった姉が殺される運命になったので、代わりにエイミーが「ノクス」と名付ける。 そこから、昼は天使のような子供の姿、でも夜は大人の男になる「ノクス」とのドキドキの生活が始まって…

本文

「この子を本当にどうすればいいんだろう···。」

エイミーはペンリルの子供を抱いて途方に暮れていると、ノクスが部屋に入ってきた。


「エイミー!!」
「あ、おはよう…。」
「…?エイミー、オオカミがなぜここにいるの? 一緒に寝たの?」
「う、うん。」
「…………。」


エイミーがそう言うと、ノクスはじーっとペンリルの子供を睨んだ。


「これ、捨ててもいい?」
「だ、だめよノクス!生きてるのに捨てたりできないわ···。」


エイミーのその言葉を聞いてノクスは急にぼろぼろと泣き出した。

「エイミー…もうこの子の方がいいの? そうなの?」
「ノクス!?ど、どうしてそう思うの?うん?」


エイミーは泣き始めたノクスにあたふたとする。


(子どもは兄弟が一人新しくできただけで不安がるというのに、いきなり私の胸から子どもオオカミが飛び出してきて、私を奪われた感じがしたみたいね···。)


「ごめんね。私がノクスの心を思いやれてなかったわ。この子のせいで私もちょっと落ち着かなくて···。」
「エイミーは···これを育てるの?」
「しばらくの間は連れていなければならないんじゃないかな?ここ以外に行くところがない気もするし···。 この子のお父さんがここにそのまま置いて行ったの。」
「···置いていったって? じゃあお母さんは?」
「さあ、どこにいるか分からないの。」


ノクスはまたペンリルの子供をじっと見つめ、おそるおそる頭を撫でた。

「お前…僕に似てるね。お父さんは捨てて行って、お母さんはどこにいるか分からないし···。」
「だからノクスがオオカミの良い友達になってほしいな。 ね?」
「………。この子の名前は何?」
「あ、えっと、うーん。そうだね。ペンリルは名前じゃなくて種類だから、 名前はまだないかな?」
「じゃあ、僕と一緒にいる時に作ってくれない?」
「じゃあ、今すぐに作ってあげようか? 何てつけたらいいかな?」
「う〜ん。」
「一番簡単なのは、色で名前を決めることだけど···。じゃあ、ホワイトは?」

ペンリルの子供は嫌そうに唸った。

「あ、いやなの?じゃあ···シルバー?」

これも気に入らないようだ。

「それでもなければ…シロ??」


ペンリルの子供はその名前が気に入ったようで、ようやく嬉しそうに吠えた。

「分かった、シロ。 名前を気に入ってくれてよかったね?」
「うん···、あの··· エイミー、僕の名前も呼んで?頭も…。 」
「そうだね、ノクス。」

エイミーが頭を撫でるとノクスはパァーっと嬉しそうにした。


「じゃあ、新しい友達になった記念に一緒にティータイムにしようか?」
「うん!いいね!」



するとエイミーはベッドの違和感に気が付いた。


(うん?何?何かあるかな? 重いな。鏡···?これが一体、なんで私のところに···。まさか、これは···! あの時の鏡のように皇室と繋がった魔法の道具なの?)


「どうしたの?エイミー。」
「あ、なんでもない…。着替えてから行くから、あそこの部屋でシロとちょっと待っててね!」
「分かった、早く来てね!」




ノクスを先に行かせると、エイミーは急いで立ち上がった。


「すぐにロッテさんとベイカーさんのところに持って行かないと………えっ!?」



エイミーが手鏡に触れると、突然エイミーの周りが光に包まれた。
次の瞬間、エイミーが目を開けると。



「ここは···あの時あの森の中じゃないの。」


エイミーは前の時と同じようにマントを被り、森の真ん中にいた。

そしてやはり、タンシズがティーセットがあるテーブルに腰掛けていた。



「また来ましたね。なぜ今ここにいるのか、それが気になりますね。おそらく私の記憶の中で、一番幸せな記憶だからでしょうか。 救われる前はまともに歩くこともできなかったのに···」


(救い?)


「それで、今度はどういうことで来たんですか?生まれたばかりの魔法使いさん。」
「…!生まれたばかりの魔法使いですって? 私がですか?」
「うん?古代魔法の選択を受けても自分が誰なのかも分からないなんて。じゃあ、僕がお教えしましょう。 生まれたばかりの魔法使いよ。 僕たちが魔法を使うことは息をすることより簡単なことです。」


そう言うとタンシズはエイミーの目の前まで歩いてきた。


「自分を認めて、その後はただ願ってください。この瞬間、あなたから魔力が流れてくるでしょう。
同じ古代魔法の使い手にコツを聞いたことですし、顔くらいは見せてもらえますか?」
「あ、いえ、それはちょっと…!」


エイミーの制止は間に合わず、タンシズはマントのフードを剥いでしまった。
そしてエイミーの顔を見て、タンシズは目を見開いて驚いた。


「あなたは…!」




→次回「姉が男主人公を拾ってきた」53話へ




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