アラサーOL、マンガを翻訳する

悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「逆ハーレムゲームの中に落ちたようです」 52話

スポンサーリンク


f:id:pikkomako:20210625182618p:plain

引用:

逆ハーレムゲームの中に落ちたようです

あらすじ

目が覚めるとベッドに見知らぬ裸の男たちが!? そう、誰かがプレイ中の逆ハーレムゲーム内の悪女に乗り移ってしまったのだ! 不思議なことに、ゲームのプレイヤーの選択肢と選択内容を盗み見ることができてしまう。 そして、ゲームの主人公であるユリエルが、悪女キャラである自分の愛人たちと親密になり、最終的に自分を殺すつもりであることを知ってしまう… 果たして死を免れ、ゲームの中から無事に脱出することができるの!?

本文


デイジーが手紙を持って焦ったように走っている。
そしてエクロットにその手紙を見せた。

「これは…!」

どうやらリアが書いた手紙のようだ。


ーーー・・・


『私は皇女として、集まった貴族たちに明らかにしようと思う。

今回、新たに皇家の血筋であることが明らかになったユリエルは、私の宮人だった者だ。皇居での生活の間、ユリエルは皇室の多くの法に背き、皇女になったとしても過去の罪が変わることはない。

ユリエルが私に対する罪人の申し立てを裏付ける証拠もない。ユリエルが奪われたと主張したあのネックレスもまた、もともと皇室のもので、彼女が母から受け継いだという確実な物証を見せない限り、私が持っていただけでは奪われた証拠にはならない。』


ーーー・・・


ロビアが目を覚ましたようだ。

「!姫様!早く姫様をお呼びして!……ジュランヌ様、気が付きましたか?」


ーーー・・・


『宴会場で発見された麻薬は、名簿は明らかにされていたが、進上品を受け取った者は見つからなかった。
今回の唯一の証人だった奴隷商人は、一致しない証言だけを残して自殺し、この事件の真相は永久に明らかにできなくなった。』


ーーー・・・


シガーが廊下を歩いている。

「夜明けにはあんなに雨が降り注いでいたのに、今は錚々たるものだな。」

すれ違った騎士が昨日の事件のことを噂していた。

「昨日死んだ侍女さ、皇女様が葬儀を行うよう言ったらしいぞ。」
「え?そんなはずがないだろ。 遺体をまためった切りしたんじゃないか?」
「いや本当だって。」


ーーー・・・


『ただし、今日の私に罪がなくても、過去の私には罪があった。私が権力を利用して誰かの夢を踏みにじり、死を選ぶほどの苦痛で彼らを追い出した。
ユリエルの罪が変わらないように、私も過去の私の罪に背を向けない。 彼らが立っているところに立って、その憎しみと直接向き合うつもりだ。』


ーーー・・・


「ユリエル姫様が部屋で待ちなさいとおっしゃいました。」


(ユリエル"姫様"か……。あの時…あいつは確かに死ぬつもりだった。)

エッセンは昨日のロビアの言葉を思い出す。

『そして、戻ってきたときに私が死んでいたら、ポケットにある魔法具を確認してください。』


(彼女のために…彼女にそれだけの価値があるのか?)


ーーー・・・



『皇女と…この国の正統な後継者だからと言って、避けてきた代償を払おうと思う。この皇女の過ちで、誰も私を締め付けないようにするために。』




リアは昨日と同じ場所である宴会場にいた。
目の前には陛下がおり、周りにはユリエルを始め多くの貴族たちがリアの一挙一動に注目している。
そしてリアは跪いて言った。


「私、エルドリア・ビオッテ・セシリアは、今この場で次の席に上がる資格を降りようと思います。」


「「「!!!」」」


ユリエルはリアの突拍子もない発言を不審に思う。

(一体何を言ってるんだ? 自ら持っている権力を手放すと?没落クエストなら、あのバカのせいですでに···。)


するとユリエルの前にウィンドウが現れた。



【二番目の皇女】

「エルドリア・ビオッテ・セシリア」
皇女の没落達成値が100%!達成しました!
なお、特殊な介入による達成で補償は支給されません。



(何ですって!?)



「これによる騒動が収まるまでは皇城を出て過ごします。」
「皇女、それはだめだ!」

リアは真っ直ぐ陛下の目を見て言った。

「地位を退いたとしても私が皇城に残れば、何も変わらないということを陛下もご存じではないですか。城の外に出て私に足りないことを学びます。そしてその場にふさわしい姿で、再び皇城に戻ってきます。」


ーーー・・・


『私は今日、この場で没落するだろう。

セシリア』



ーーー・・・


リアは宴会場を出た後、ロビアの部屋に向かった。


「···どうなりましたか?」
「全部うまく解決した。」
「どうやってうまく解決されたというのですか。」
「私がそばにいるのに信じられないの? 峠を越したとしても気をつけなければならないんだから、横になっていて。」


そう言って、リアはロビアの手をぎゅっと握った。


「………どうしたんですか?」
「ロビア、そこまでする必要はなかったわ。」
「私がそうしたかっただけです。」
固執しては駄目よ。 次からは私を心配させないという約束をしないと。」
「…心配、してくれましたか…?」
「約束しろって言ったのに、また何の話を···。」
「私を心配したのですか?」
「···あなたは待ってるって。 私が怖くないと言ったじゃない。 だから···。」


リアはそこまで言うとロビアの異変に気づく。
ロビアはぼろぼろと涙を零していた。

「あなた、どうして泣いているの?ごめんね、だからもう泣かないで。」


リアはおろおろしながらロビアを慰めた。

「ロビア。もう知ってるだろうけど、私はあなただけということにはできない。でもあなたは私だけ。 それでもいい···。」
「はい、姫様。はい!」


ロビアはリアの言葉を遮り、身を乗り出してリアを抱きしめた。


「···今は大丈夫でも、あなたが後で後悔するかもしれないわよ。」
「私を馬鹿だと思いますか?そんなことは全てとうの昔に考えました。 そして下した結論です。」



ーーー・・・


リアはロビアがいる部屋を出て、使用人に告げた。

「何をしでかすか分からないから、私の話はロビアが治るまでは絶対に耳に入らないようにしてね。」
「はい、姫様。治療を手伝ってくれる使用人全員に言っておきます。」




(後は私が皇城を出れば…。)

その時、リアは後ろから誰かに抱きつかれた。

「!…デイジー?」

「···姫様、ごめんなさい。 もっとちゃんと調べるべきだったんです。ヘスさんが、いや、あの人が悪い人だとは···。そしてユリエル···。」

「デイジー、これからは言葉に気をつけなければならないわ。 むやみに名前を呼んではいけないし、私がいない間、私にしていたように他の人にしてはいけない、分かった?行ってくるから事故起こさずにおとなしく···」

「私も、私も連れて行ってください! 二度とミスしません!姫様が満足するような、そんな完璧な手足になるので、どうか私を連れて行ってください!」

「外に出たら皇城よりもっと苦労することになるわよ。 それでも一緒に行きたいの?」


ーーー・・・


夜。
リアはデイジーと共に皇城を出るべく、馬車に乗っていた。


(皇女になったユリエルを皇城に置いてこのように外に出るのが危険な賭けということは分かっている。 でも、これからのことを考えたら、この方法が最善だ。 それでも気にかかるのはたった一つ···。)


ーーー・・・


『必ず戻ってくるわ。必ず必要なことなの。後悔もしないし。』
『はい…。』
『一人ぼっちだからといってよそ見はしないでね。』
『…そんなこと言っちゃだめです。』
『どうしてダメなの?』
『僕がそんなことするはずがないということは、誰よりもよく知っているからです。リアが決めたことなら、僕は信じます。 何でも従うし···でも···。···会いたくなると思います。』



ーーー・・・


昨日の夜のナドリカとのやりとりを思い出し、少しだけ不安になった。

(ナドリカ、どうか無事でいて。)



「それにしてもひどいです。」
「うん?」
「姫様がこんな夜遅くに、こんな粗末な馬車に乗っているなんて…それに、姫様の住む所が捨てられた聖塔とは、今からでも陛下に···!」
「このように出ることになったのは私が願ったからよ。 多くの人々の見せ物になりたくなかったから。後悔した? だから私は苦労するって言ったじゃない。」
「後悔なんてするはずないです!!」



「姫様、到着致しました。まだ整理はできていませんが、すぐに過ごすには不便さはないと思います。足りないものは少しずつ準備していきます。」


馬車から降りたリアはこれから過ごす塔を見上げた。

(ここかな?思ったより···。)


すると。

「姫様。」
「エクロット!?なぜあなたがここにいるの!?」



ーーー・・・


そんなリア達の様子を、塔の上層階から見ている者がいた。
そしてその者は少し口角を上げ、呟いた。


「だめだよ…だめ。」




→次回「逆ハーレムゲームの中に落ちたようです」53話へ





↓ エピソード全話一覧はこちらです!(最新話から最終話まで)
www.picco-comic-netabare.work