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悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「皇女、反逆者に刻印する」 32話

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引用:

皇女、反逆者に刻印する

あらすじ

人造人間「ホムンクルス」の反乱によって滅びたハーデルラミド皇室。第7皇女イヴは妹の裏切りによって1度は命を落としたものの、錬金術の力で8年前の世界で再び目を覚ます。 イヴが皇室滅亡の未来を変えるための方法―それは皇室を滅亡に追い込んだホムンクルスの王・ミカエルを自らの専属騎士にすることだった。 皇女と反逆者、前世ではすれ違ってばかりだった2人が向かう未来とは——!

本文

イヴはメイドと執事、ミカエルを部屋に呼んだ。


「皇女殿下にお目にかかります。」
「ミカエル、おはよう。外出前の時間が少し空くついでに、久しぶりにみんなで会話でもしようかと思って呼んだんだ。」
「今日に限って美しく飾られましたね。」
「聞くところによると、迎える主人が美しければ胸がいっぱいになるというらしいから。 ミカエルの忠誠心を高めようと努力したの。」
「···効果的なようです。」
「あはは。」


「さあ、 みんな飲んでみて。 私が直接栽培したハーブで作ったお茶よ。 バルコニーにハーブの庭園を作ったんだ。」

「おいしい!」
「さすが殿下のお茶です。」

「あの、スケジュールについて聞いていないのですが、今日重要な皇居宴会はありますか?」

ミカエルの質問に、セデラーが答える。

「あ、皇女様の定期ティータイムがあります。ハーデルラミドで最も高貴な女性が集まる席なので、宴会に劣らず気を使わなければならない席です。」


皇女たちの定期ティータイムーーー

皇女が一堂に会して政治的案件について討論する場。……と言われているが、それは建前に過ぎず、実際には直系皇族女子だけが集まったついでに、心行くまで語り合う場として利用された。
主な話題は専属騎士に対する品評。したがって、定期ティータイムには専属騎士を招かないのが暗黙の慣例だった。


(たまにひどいときは下ネタまで話してたし、お姉様達とロゼニットの間に挟まることを考えると…はあ、既に疲れた。)


「定期ティータイムには専属騎士なしで行くのが慣例です。アグニト卿にスケジュールを渡すのを執事が忘れたようですね。 私が代わりに謝ります。」
「……。」


(なぜ一緒に行かないのか理解できないという表情ね。 聞かれる前に話題を変えないと。)


「だから、今日ミカエルの仕事は終わりよ。 ハーブティーを飲み干したら宿所に帰ってもいいよ。」
「分かりました。コロッセオアリーナにいるので、 またいつでも呼んでください。いつでも、ですよ。」


ーーー・・・


(いつも言ってるのに、今日に限ってどうしてこんなに慎重に感じたんだろう?そういえばお姉様のことが気になるのかな。貧民移住案件で癪に障っているはずだから···。 お姉様ならすぐに仕返しをしてもおかしくないわ。)


「あ、前に私が出した命令、忘れずに遂行しているよね?」
「アグニト卿に何かあったらすぐに殿下に知らせろとの命令ですね。 もちろんです、殿下!」
「うん。今日は特に気をつけてね。」
「かしこまりました!」


(別に変わったことないよね?)


「よし, 私たちはもう入ろう。」
「 はい、殿下。」



ーーー・・・


コロッセオアリーナ。

ミカエルは周りのホムンクルスの戦闘の様子を見ていた。


(皆それぞれの戦闘はレベルが高いが…戦いながら周りを全然気にしていない。戦闘への干渉が入ってくると、すぐに崩れてしまう。 これじゃ···。)


ミカエルはため息を吐いた。
ミラードがそんなミカエルの様子を見て、話しかけてきた。

ミカエリス、今日も早く仕事終えたみたいだな。」
「シルヴァスティアン。」
「ところで修練をしないで、何をそんなに考えているんだ?」
「……ホムンクルス同士の挟み撃ちは絶対不可能だというのを考えていた。」
「挟み撃ち?」
「ああ。」
「実に意外な話だな。」
「そうだろうな。専属騎士は普通1対1の訓練ばかりするから。シルヴァスティアン、魔晶石の採掘量が減少していることは君も知っているだろう?」
「もちろんだ。」
「魔晶石は討伐された魔竜の肉体とその周辺が一体になって結晶化したら生まれる。 このままでは近いうちに魔竜討伐戦を強行するだろう。」
ホムンクルスで討伐軍隊を作るのか。 親衛騎士団でも徴集されるだろうしな…。」
「そうだな。今のように各自が別々に戦うことだけ知っていては無駄死にするだろう。歴代の魔竜討伐戦でホムンクルスの犠牲者が多く出たのもそのためだろう。」


ミカエルはそう言うと、ミラードが無言でじっと見つめてきた。


「?どうしたんだ?」
「ちょっと不思議だった。」
「何が?」
ミカエリス、お前が他の奴らのことを気にしてるみたいだから。」
「………。」

(確かにそうだな、俺がなんでこんなにこいつらを気にするんだ?)


「それではこれで失礼する。 後で会おう。」
「ああ。」



ミラードが去ると、二人のホムンクルスがミカエルに近寄ってきた。

ミカエリス・アグニト。」
「なんだ。」
「君を探してる方がいる。 ついて来い。」
「誰が?」
「皇族だ。それ以上は言えないから、黙ってついてくるように。」


(皇族だって?)


「分かった。」



ミカエルがそう言うと、二人はミカエルを森へと連れ出した。


(なるほどな。俺を一人で引っ張り出そうとはどういう魂胆なんだろう。)


三人は森へと向かう。



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