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悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「皇女、反逆者に刻印する」 30話

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引用:

皇女、反逆者に刻印する

あらすじ

人造人間「ホムンクルス」の反乱によって滅びたハーデルラミド皇室。第7皇女イヴは妹の裏切りによって1度は命を落としたものの、錬金術の力で8年前の世界で再び目を覚ます。 イヴが皇室滅亡の未来を変えるための方法―それは皇室を滅亡に追い込んだホムンクルスの王・ミカエルを自らの専属騎士にすることだった。 皇女と反逆者、前世ではすれ違ってばかりだった2人が向かう未来とは——!

本文

「大丈夫か?」
「うん…。」

ミカエルがイヴを抱き寄せたことで
ぶつかりはしなかったが、走ってきた女が転んでしまった。


すると先ほど女が走ってきた所から怒鳴り声が聞こえたきた。

「もう後悔しても知らないぞ! お前の足でチャンスを蹴ったんだ。 リモナ!」


(この子は…リモナ…?···あの黄桃極上の歌手?!文化生活に関心がなかった私でも録音ゴーレムを持っているほど有名な歌手なのに!皇居でイジメられるたびにリモナの歌で慰められてたんだよね···。そうか、まだ今は無名歌手の頃なのね。)

イヴは感動し、リモナに話しかけた。


「あの…。」


するとステージの方から音楽が流れ始めた。
リモナは慌ててステージを見ると、そこには他の歌手がいて、歌を歌っていた。


「あ···。 私のステージだったのに···。」

リモナは落ち込んだ様子を見せたが、次の瞬間には豹変して叫び出した。


「···枯れたアスパラガスのような痩せ細った奴らが!!道行く途中汚物入れにでもはまってしまえ! あんな音痴を私の代わりに出すなんて…劇団主も耳が悪いの?!!ペガサス劇団…このまま倒産してしまえばいいんだ!!」


(あら、こんな性格だったんだ…。)

イヴは一部始終を見て苦笑いしたが、泣いているリモナにハンカチを差し出し、改めて話しかけた。


「あの···どうかしたの?」
「···ありがとう。私はリモナ・ルンドよ。実は私が今日、あのステージに立つことになってたんだけど···。 劇団主 息子が···自分と付き合ってくれないと出さないって言って…私を外しちゃったの。」

リモナは泣きながらそう言ってイヴに抱き着いた。
それを見たミカエルがいさめる。

「無礼だぞ。この方は…」
「待って、ミカエル。」


(リモナも成功する前までは大変なことが多かったんだね。リモナの歌が私を慰めてくれたように、私も…。)

イヴは、リモナが落ち着くまで、背中を撫でてあげた。



「ちょっとは落ち着いた?」
「うん…。ハンカチは···どこに住む誰なのか教えてくれれば、必ず洗って返すよ。」
「返さなくてもいいわ。」
「いや、あなたは私を助けてくれたから、必ず恩返ししないと!」
「うーん。」


(身分を明かすことはできないんだけど…とりあえずそれは後ね。それより今はもっと重要な問題がある。)



「リモナはまだ助けが必要そうだわ。」
「慰めならいい。 この辺ではよくある事だから···。 私は大丈夫。」
「慰めじゃなくて、本当に助けろって?」
「あなたが手伝える事ではないわ。」
「それは分からないよ?」



ーーー・・・


夕方、ステージにはリモナの姿があった。
美しい歌声で観客を魅了している。



「初めて会った人にここまでするのか?」
「もちろん。立派な芸術家を後援するのも皇族の仕事なんだもの。」
「ふうん。」



ーーー・・・

『この程度なら、ルンドさんが今すぐステージに立てますか?』
『は、はい、もちろんです!!!!』

ーーー・・・


イヴは劇団長にお金を渡して、リモナをステージに上がらせたのだ。


「歌を聞く前にどうして分かったんだ?」
「そ、その、感じだよ。 私の勘はいい方だから。」
「ふうん。」


リモナの歌が終わり、イヴ達は席を立った。

「そろそろ帰ろうか。」
「そうだな。」


帰ろうとすると、リモナが走って追いかけてきた。

「あの!!」
「うん?」
「あなたが···あなたが本当に私を助けてくれたの?」
「あ…うん、そうよ。」
「一体どうやって…?いや、これが重要ではないわ……だったら名前、名前を教えて!お願い!恩人なのに名前も聞かないで見送るわけにはいかない。」

リモナはそう言うと、イヴの両手を握ってきた。


(セデラーともあまり手を組んだことないのに···。 さっき抱擁したのもそうだし······ぎこちないけど、嫌じゃない。)

「…イヴ。私はイヴ・クロエルよ。」
「イヴ…。」


もう遅い時間なので、ミカエルが急かしてきた。

「イヴ、もう行かなければならない。」
「あ…じゃあ、またね。 リモナ。」
「う、うん。」

リモナはイヴ達を見えなくなるまでずっと見送っていた。




イヴとミカエルは馬車に乗り込んだ。


「歌が凄かった。」
「でしょ?これからもっと期待できると思う!」


イヴはまるで自分のことのように嬉しそうに笑った。




→次回「皇女、反逆者に刻印する」31話へ




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