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悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「悪女は2度生きる」 63話

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引用:

悪女は2度生きる

あらすじ

謀略の天才、皇帝を作り上げる! ”お兄様が成功すれば、お前も成功するのよ” それを信じ、あらゆる悪事を企てた悪女「アルティゼア」。 しかし、彼女の兄への忠誠は裏切りとして返ってくる。 死を前にした彼女に手を差し伸べたのは宿敵であり、正義ある大公「セドリック」だけだった。 魔術で命と引き換えに18歳の自分に生まれ変わった彼女は、「セドリック」を皇帝にするために新たな人生を捧げることにするがーー

本文

「北部の天気がよく分からなくて無理に上がって来て、足止めされてしまったんだ。幸いにも寺院が可哀想に思って宿所を出してくれた訳だ。」
「嘘ね。」
「そう、嘘だ。でも、北部の天気に詳しくなくて足止めされたのも、寺院が可哀想に思ったのも事実だよ。 おすわり、ジョルディン伯爵家の令嬢。令嬢を害しに来たわけじゃないんだ。」

(確かに、あの男がここで何か邪悪なことをしでかすことができるだろうか。ここは他でもなく本城の寺院だし。)

「随分と大胆ね。 非難してる訳ではないわ。 」
「それくらいがちょうどいい。その程度の度胸があってこそ交渉も可能になるはずだからな。」
「あなたの目的は何ですか。 一体何を交渉しようと言うんですか。」
「俺は俺の女を取り戻しに来た。 令嬢にはそれを手伝って欲しい。」
「···女性ですか? まさか!!大公妃のこと···!?」
「正確には···俺の女にしようとしていた女だよ。プロポーズに行く途中、他の男性と結婚したという知らせを聞いて、どんなにあきれたことか…。」

(こんなことだろうと思ったのよ!!)

オーブリーは怒りをあらわにした。

「その女、本当に笑わせるわね。 恋人を別に置いて私たちの大公殿下と結婚したというんですか!」


「噂によると、令嬢は大公妃をかなり嫌っているそうだが···。 俺達の目的が一致すると思わないか? 」


赤髪の男はにやりと笑って言った。


ーーー・・・

エブロン本城にて。

リシアは父に手紙を書いていた。

『お父さんへ。

私は元気です。 すでに知らせを聞いたと思いますが、大公妃殿下の侍女として従事することになりました。急なことなので前もって相談できず申し訳ありません。

しかし、大公妃殿下には今侍女が一人もいなくて傍を空けることができません。 本来ならオーブリーさんがいるはずですが、過ちを犯して追い出されてしまいました。 ジョルディン伯爵家の娘が追い出されたということで、多くの人が恐れを抱いていました。

しかし、2、3日の間に皆状況を理解し、本城が早くも正常化しました。 意外にもマーガレットおばさんやアーロンおじさんには責任を問われませんでした。それも、私を侍女として寵愛してくださるその時のことのためかと思います。

大公妃殿下は冷え冷えとした面がありますが上品で優雅な方です。賞罰がはっきりしており、それにふさわしい権威も持っています。 今回もそうでしたが、大公殿下も妃殿下の仕事には少しも干渉せず仕事を任せられました。今までエブロンにはとても長い間女主人がいなかったですよね。 最初はみんな混乱している感じでしたが、少しずつ役割がもう決まっています。

マーガレットおばさんの話では、先代の大公妃殿下がいらっしゃったのですが、本当に元気のある奥さんに仕えたのは初めてだそうです。それに妃殿下は才知にあふれ、鋭敏な方です。 思いもよらない方向で領地の問題点を発見したことがすでに何度もあり、官吏たちは恐れながらも尊敬しています。何よりも大公殿下を信頼し、愛しています。

父の心配のような、ローサンの実家に振り回され、大公殿下を政争に引き込むような人には見えません。 大公殿下もそのような目的で政略結婚されたのではありません。

私が不安なことがあるとしたら、妃殿下が過分によくしてくださるということです。ご期待にそえることができず、寵愛して下さる分の忠誠をお返しできないのではないかと心配です。妃殿下は大公家の忠臣としてだけ選び、新しい侍女を二人召し抱える計画です。 その時になれば、一度家に帰ります。

リシア』



リシアが手紙を書き終えると、ティアが部屋にやってきた。

「大公妃殿下。」
「そのまま座ってて。 手紙を書いている途中だった?」
「今終わりました。」


すると、メイドが持ってきたティーセットを、リシアが準備し紅茶を入れてくれた。
しかしどうやら紅茶を入れる才能はないようだった。

「練習すればいいわ。社交界が求める美だの教養だのといったものが、本当にその人の品位を表すとは思わない。ただ、攻撃される口実を減らすことができる。自分自身だけじゃなくて、自分を選んでくれた人の目の問題とも関係あるから。」

(リシアが皇后になった時、聖女皇后として民の愛と、尊敬を受けるだろう。しかし、リシアが実際に生きていかなければならないのは帝国の社交界。モルテン男爵家の娘というのは彼女を甘くする要因の1つだった。信心深い女性たちは彼女の味方になった。しかし、少なくない数の者が、リシアが田舎の村出身なので教養がないと嘲笑した。もちろんリシアは悲しむことはしなかったが、でもリシアの弱点を減らしておいて悪いことはない。)


ティアが深く思案している様子を見ていたリシアはにっこりと笑って言った。


「一生懸命練習して、妃殿下のお傍に居ても恥ずかしくない女性になります。」
「あなたが私のことを心から好意を持って接してくれて、ありがたく思っているわ。」
「え?どうしてそんな当たり前のことを言うのですか?」
「実はもう少しトゲがあっても仕方ないと思っていたのよ。もちろんオーブリーが私に無礼だったし、大公家には不十分だった。 しかし、そちらが正常だと思うから。オーブリーが本心を隠せなかったのはもちろん愚かなことだけど、十分にあり得ることだと思う。だからジョルディン伯爵家にも責任を問わなかったのよ。」

「妃殿下、それは間違っています。大公殿下が選択したことだけでも、大公妃殿下は私たちにとって忠誠心と愛されるに値する十分な方です。たとえ妃殿下が目下の人々が望む女主人の姿ではなかったとしても、私はとても嬉しかったです。殿下が責任感のためではなく殿下自身の幸せのために選択されたのですから。」

「···リシア、誤解しないでほしい。 殿下とは何の関係もない。セドリック様はお仕えするだけの主君よ。 だからローサン侯爵家を委託することにしたの。ただそれだけよ。」
「それは…」


リシアが言いかけると、セドリックがドアをノックし、声をかけてきた。


「ティア、僕です。」



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