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悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「お父さん、私この結婚イヤです!」 25話

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引用:

お父さん、私この結婚イヤです!

あらすじ

皆に嫌われる悪女「ジュベリアン」。 愛した恋人からも、たった一人の家族であるお父さんにも捨てられ、寂しく死んでしまった悪役…。 そんなジュベリアンに生まれ変わったって? こうなった以上仕方ない。 お父さんのお金を思う存分使って、派手なお嬢さんライフを送ろうとしていたのに、 サイコパスな皇太子が私の結婚相手だなんて! それなら方法はたった一つ、契約恋愛だけ。 その相手はお父さんの教え子がいいだろうと結論を出した。 その男が皇太子であることも知らずに…。

本文

ジュベリアンは馬車の中で父からかけられた温かい言葉を思い出し、考えを巡らせていた。


「ジュベリアン・エルロイ」
フローエンが生んだ孤独な悪女、フローエン公女…
誰にも歓迎されない社交界の引きこもり。 唯一の愛だと信じていたミハイルに捨てられて、私の愛情欠乏が始まり、父にも断られた。
欺かれ迎えた悲惨な死。
未来を知った今世では、あなたに愛されることを諦める。
皇太子に私を嫁に送ろうとしているあなたから逃げよう・・・ーーー


『私がそばに居るから心配するな。』

優しい笑みを浮かべ語りかけてくる父を見て、ジュベリアンは何を信じていいのか分からなくなった。

(お父さん、何を考えているのですか?)


ーーー・・・


「まあ!名声通りに美しいですね。 なるほど。」
「フロエン公爵閣下、宴会で久しぶりにお目にかかりますが、相変わらずの容姿ですね。」
「相変わらず素敵です。」

ジュベリアンはエスコートしてくれているレジスのことをちらりと見た。

(そうだろうね。パートナーにはついてくるのがお父さんだとは誰も思わないだろうね。 問題は···私の計画になかったパートナーだってこと。最近父の底意が分からない。)

するとレジスはジュベリアンの視線に気づき声をかけ、肩を抱いた。

「足に気をつけなさい。」


周りの貴族達はレジスの袖口に釘付けになった。

(((((あれは…!?噂のカフスボタン????)))))
(公爵に差し上げたのだな!!)



するとこそこそとどこからか陰口が聞こえてきた。

「なんでこんなに純真そうなフリなんてするのかしら〜。 この状況をそのまま信じる人なんていませんよ。 きっとあのカフス ボタンは偽装するために後で注文したものですわ。」
「お金さえあればあれ一つ手に入れられませんか。 自分の娘が身元不明の男と密愛してるそうだから、噂を消すために準備してきたんですね。」

くすくすと笑いながら言う貴族達を、ギロリと睨んだレジス。
すぐにみんな震えて押し黙った。

(私の娘がくれた大切なプレゼントにそんな汚い話を…。)



ミハイルはその様子を影から見ていた。

(何だよ。公爵に差し上げたのか?そうだ、 ジュベリアンに僕以外に他の男がいるはずがない。君が私を簡単に忘れるはずがない。)

ミハイルは黒い笑みを浮かべその場を去った。


ーーー・・・

(可愛らしくとてもきれいな家ね。後で独立する時に家を飾るには参考にしないと。)
ジュベリアンは本来の目的を忘れ、周りをキョロキョロとチェックした。

その様子を見て勘違いしたレジスが言った。

「心配しないで楽しめばいい。忘れるな。 お前が誰の娘なのか。」

(お父さん?何も心配しないで希望に満ちた未来を夢見ていましたが?)



するとアルロ伯爵夫人とローズマリーがあいさつにやってきた。

「「至高の救国の英雄と、そのお嬢様にお目にかかります。」」
「光栄です。公爵閣下、公女様。 うちの娘の誕生日会に参加してくださるなんて。」

伯爵夫人が粛々とあいさつをしていると、ローズマリーが急にジュベリアンの手を握ってきた。

「今日はお越しいただいてありがとうございます!! 公女様!お会いしたかったです、フローエン公女様! 本当に本当に…」
「お誕生日おめでとうございます。ローズマリー・アルロ様。」

ジュベリアンはにっこりと笑い答えた。
(ローズ。実際に会ってみるともっとかわいい子ね。)

「これは私の大切な友達であるあなたのための、私の小さな誠意です。」

ジュベリアンがそう言い、プレゼントを渡すと、周りの貴族たちがこそこそと話し始める。

「あれは何?何のプレゼント?」
「なにあれ、パウダー?」
「あんなに小さいのにパウダーをなぜ?」
「上に鏡もついてるよ? まさか···携帯用?」


「これ···携帯用パウダーですか?」

(気に入らないかな? 持ち歩きながら化粧を直してくれるので、携帯しやすいとはいえ、女中たち以外には道具を必要としないだろうか。)

「とてもすごいです!! こんな画期的なプレゼントはどう考えたんですか!」

心配無用だったようで、ローズマリーは涙を流して感動していた。

「そうね。本当に画期的だね。」
「 あんな物、私も初めて見ました!」

周りの貴族たちも口々に賞賛している。


「公女様。よろしければ、この携帯用パウダー、どこの工房で製作を依頼したのかお聞きしてもいいですか?私のお母さんのも注文したいです。」
「もちろんです。ヒョードル工房、若いですが職人なので、実力を信じて任せてもいいです。」

普通はそういう情報を隠すのが社交界なのだが、ジュベリアンの素直な性格により、ほかの貴族達から天使と崇められるジュベリアンであった…。


ーーー・・・

ジュベリアンは一人で邸宅の外に抜け出した。

(やっと一人になれた…。人が多いと疲れる。押し寄せてくる質問も相手にしなければならないし、疲れた…。)


すると、ジュベリアンはなぜか涙を浮かべた。
その様子をすぐ近くの木の上から見ている男がいた。マクスだ。

(なんで泣いているんだ···?)



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