アラサーOL、マンガを翻訳する

悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「姉が男主人公を拾ってきた」 48話

スポンサーリンク


f:id:pikkomako:20210624214406j:plain

引用:

姉が男主人公を拾ってきた

あらすじ

エイミーが16歳になる日の朝、姉が男の子を拾ってきた! この展開、まさに前世で読んだ小説のワンシーン… 記憶喪失のこの「男の子」こそ、古代の魔法にかかった主人公のリノク! 小説ではリノクの名付け親となった姉が殺される運命になったので、代わりにエイミーが「ノクス」と名付ける。 そこから、昼は天使のような子供の姿、でも夜は大人の男になる「ノクス」とのドキドキの生活が始まって…

本文

「エイミー、答えろ。」

真剣な表情で聞いてくるノクスに、エイミーは声を上げて笑った。

「ほんとにダメだ···はは!!」
「一体何が面白いんだ?」
「あは…ははは!いや、それが·····。」
「まあ···いいよ。 思い切り笑っても。昼のお前を独占するあの小さな奴に嫉妬されるのは当然のことだから。」

ノクスはそう言うと、エイミーの腕を掴み舌を這わせた。腕、手首と順にキスしていく。エイミーは妖艶なノクスの表情を見て真っ赤になる。

「…あっ。」
「魔法が解けて長い眠りから覚めると···その瞬間からエイミーの事を考えながら目を覚ます。俺が一番最初に目を開けたとき、エイミーを思い浮かべるよ。」

(どこかで読んだことがある。 手首に残すキスの意味は···欲望だということを···。)


ーーー・・・

次の日の朝。
エイミーは昨日の夜にノクスにされた事を思い出していた。

(私、本当におかしくなったみたい・・・。)


「エイミー!!」
「あ、ごめん、ノクス!待たせちゃって。」
「いいや、違うよ。エイミーを待つのもエイミーが来ると思ったらぜんぜん退屈じゃないよ。それで僕、エイミーにあげるプレゼントがあるんだ!」
「プレゼント?」
「うん!これ!」

そう言うと後ろに隠し持っていた黄色の花束をエイミーに手渡した。

「これ…。」
「月見草だって。エイミーにプレゼントしたかったんだ。 ·······受け取ってもらえる?」
「···ありがとう、ノクス。」

(月見草の花言葉は···「私から離れないでください」と…。私の気持ちをどうすればいいかわからない···。)

「エイミー気に入った?」
「ええ。本当にありがとう、ノクス。」
「じゃあ、早く本を読みに行こう。 エイミーが読みたいと言っていた本を見つけた!」
「私が読みたいって言ってた本…?」
「うん!」

エイミーとノクスは手を繋いで図書館へ向かった。

フェンリルの話だよ。 さあ、」
「···あ! この前一緒に見ることにした本ね。」

ノクスが持ってきた本の表紙には、緑色の石のようなものが埋め込まれていた。

(この宝石は何だろう?何か···認識機みたいね。)

「僕が開けてあげるよ、エイミー。」

(!?本が···輝いてる!?)

「この本…。」
「うん。この本には魔法がかかっていて、僕だけが開けられるんだ。」



(この本を書いた人が初代大公···。)

初代大公が魔法オオカミフェンリルから巨大な魔力を授かったが、オオカミの子を育てて、その魔力を得たんだ…。

(これを見ると····初代大公の子孫もフェンリルの子を育てることになるかもしれないって書いてある。初代大公が。半生もの間育てたフェンリルが再び訪れることを約束した、と。)

「ここに日付が書かれていたようだけど消されたみたい。 ノクスはこれがいつなのか知ってる?」
「うん。3日後。」
「3日後?そうなんだ…………じゃなくて!え?! 3日後に?まさか今から3日後のこと?」
「うん。」

エイミーは3日後という事実に驚いた。

(皇太子がリノクに襲撃する人を送ったのは、これが理由だったんだ!!もし、本書の内容通りにフェンリルの子がやって来たら、初代大公のようにリノクとも縁を結ぶことになるかもしれないし···。もしリノクがフェンリルから巨大な魔力を渡されたら、皇室としてはいい事はないはずだから。どうにかリノクをとり除こうとしたのね···!)

その時ベイカーの声が聞こえてきた。

「ご主人様〜!! お嬢様〜〜〜!!いったいどこにいらっしゃるんですか! 魔法を学ぶ時間ですよ〜!」


「あ、もう時間だから行こう。 魔法の授業でベイカーさんが 私たちを探しているみたいだね、ノクス。」
「うん、行こう。」
「あ、そうだ。本を元の場所に戻しておかないと···。」
「大丈夫だよ。 僕が出れば自然に自分の場所に戻るよ。」
「あ、そうなの?じゃあ行こうか。」

エイミーの後ろ姿を見ながらノクスはほんの一部を思い出していた。

(エイミーは見てないけど、僕はあの本で『オオカミの結び目』の部分が一番好き。)


『オオカミの結び目』
狼はほしい伴侶に何でも与えようとし、それは伴侶が抜け出せない強い結び目になる。 オオカミの結び目は、抜け出そうとするほど伴侶をしっかりと縛るだろうーーー。



「ノクスどうしたの? 後ろに何かあるの?」
「いや、何でもない。」

ノクスはにっこり笑って答えた。


(だから欲しいものができたらゆっくりと、とてもゆっくり···どこにも行けないようにオオカミの結び目をつけろ、と…。)





→次回「姉が男主人公を拾ってきた」49話へ




↓ エピソード全話一覧はこちらです!(最新話から最終話まで)
www.picco-comic-netabare.work