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悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

【ネタバレ・翻訳】 「姉が男主人公を拾ってきた」 47話

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引用:

姉が男主人公を拾ってきた

あらすじ

エイミーが16歳になる日の朝、姉が男の子を拾ってきた! この展開、まさに前世で読んだ小説のワンシーン… 記憶喪失のこの「男の子」こそ、古代の魔法にかかった主人公のリノク! 小説ではリノクの名付け親となった姉が殺される運命になったので、代わりにエイミーが「ノクス」と名付ける。 そこから、昼は天使のような子供の姿、でも夜は大人の男になる「ノクス」とのドキドキの生活が始まって…

(本文)

エイミーが魔法の扉を開けたことについて、ベイカーから質問攻めにあっていた。

「だから、お嬢様! よく考えてみてください。あのベルは意地悪をして作ったものだから、押すのに普通は魔力がかかるものなんです。 ベルを押した時の感覚はどうでしたか?体の流れを感じませんでしたか。いや、違うな···。 もしかして魔力を操ることができるのですか。 魔法を習ったことがありますか?」

イカーが興奮して質問が止まらないことに若干引いているエイミー。

「···いえ、 扱うことも、学んだこともありません。」
「それでは習ったこともないのにこんな···!」
「あの···もう少し気楽に話しても大丈夫ですよ。」

エイミーがぐったりしていると、ノクスが間に入ってきた。

「もういじめるな!」
「はい?! いじめてないです!!ご主人様!」

「エイミー、大丈夫? 」
「 うん、大丈夫よ、ノクス。」
「!?!??!!!!」

(へえ、ご主人様はお嬢様の前であんな顔をされるのか···。聞いてはいたけど、直接見てみても全く慣れないな…。)

ノクスが心から笑っているのを初めて見たベイカーは、苦笑いしながら心の中で思った。


「それでは、ちょっと気楽に話すよ。その呼び鈴···正確には魔法具だが、あれは魔力を使えると押せないので、見た目より押すのは簡単じゃない。普通は魔法を学ばなくては不可能なのに、お嬢様は学ばなくても可能だったんだ!魔力を動かして運用すること! それがまさに魔法の始まりだよ。まあ、それ以降は少し面倒だし、変で縁起の悪い計算式を学ばなければならないが…。」
「だからうーん·········· 魔力を動かして計算式ができれば魔法使いということですか?」
「まさにそれだね!昔は魔法というのは何でも望めば叶う力だと言われたんだがね。しかしそんなのははるか昔の時代に消えた『古代魔法』を使ってこそ可能なことだ。」

(願えば叶う力だって···?リノクを変えたいと思えば···今でも手の甲から奇妙な模様が飛び出すだろうけど。)

エイミーは自分の右手を見つめた。

「···だから聞いてくれ。 お嬢様には才能がある!奇跡のような才能が! 私がお嬢様を見た時に気づかないといけなかったのに! 」
「その言葉···ですか?」
「お嬢様が魔法道具を持っていると知っているが···瞬間移動ができるとのことだね。その道具は実は最初から魔力を長く入れておくことができないんだよ。」
「それが···?何のことなのかよく分かりません。」
「普通使い捨てで使用するんだよ。 魔法がかなり複雑だからね。 でもお嬢さんは使い捨てじゃないよね?」
「それをどうして···!」
「何度もお嬢様の魔力を使ったってことだよ。 それを今まで知らなかったということがもっと驚くべきことだな。 そして、考えて欲しいんだが、私の弟子になるつもりはないか!?」
「はい!?!?」


ーーー・・・

『慎重に考えてみてください!』

先程ベイカーに泣きながらそう言われた事を思い出し、ため息を着くエイミー。

(もうこの屋敷の人全てが私を捕らえる…。もう少しでここからいなくなる人に魔法を習えって…。ん?ちょっと待って···! ベイカーさんの話では 魔法を習えば魔力を感じられるって言ってたわね。それで魔力があるかどうか分かるという話だから、むしろよかったんじゃない。ベイカーさんの魔法が感じられないところで瞬間移動魔法を使えるんだから、このお屋敷から出るのがむしろ楽になるわね。)

イカーと別れてからずっと考え込んでいるエイミーを見て、ノクスが心配そうに言った。

「エイミーは······僕から離れるんでしょ?魔力のないところに行って···それで···そこで瞬間移動を使って···僕を置いて行くんでしょ?」
「ノ、ノクス···それは···。」
「行ってもいいよ。…その代わりに、····旅立つ時····僕も連れて行ってくれない?」
「ノクス…!」
「僕を連れて行って、エイミー。僕も一緒に行きたい···。」

(ノクス、あなたはなんでこんなに…なんでこんなに、私の心を痛くするの。 なんでそんな目で見るの···。 私の心が弱くなるじゃない···。)

「···今答えられないの?行かないって、連れて行くって···言ってくれないの?エイミー………!!!」

あまりに可哀想になって、思い切りノクスを抱きしめるエイミー。

「今度···もっと考えてから言ってあげる。 わかった···?」
「今度…?うん、エイミー…。」

(私なしで一人でどんなに大変だったか分からないけれど···)

「でも、これだけは約束するよ。 私はノクスのそばにいる間、最善を尽くすつもりだよ。」

(幼いあなたが私が消えて、なくしたものが何なのか正確には分からないけど、なくしたものを少しでも埋められるように···。)

「ノクス、魔法を習うのが心配だからだよね?」
「うん…。」
「じゃあ、こうしようか?」
「…?」


ーーー・・・

数日後の夜。

「お前に魔法の才能があるとは知らなかった。 それで、魔法を習うのはどうだ?」
「私一人ではなくて···。 幼い大公様と一緒に習っているんですが、まだ基礎だけ習っているところだから・・・・・・いや、ところでちょっと!!! なんでこんなに不便な姿勢でずっと話をしなければならないんですか!!」

ノクスはエイミーを膝の上に乗せて後ろからがっちり抱きしめていた。

「何がだめなんだ?」
「はあ!?!?」

(これが楽ですか···!?後ろからの吐息が全部感じられるんだけど···?!!··· もう知らない。これはまた、すべて過ぎ去るのを待とう…。)

「魔法を学ぶ方法を話しているんですけど…お昼の大公様はとても賢くて明晰でした。記憶力はとてもいいので、魔法用語もすぐに全部覚えます! 目をこうやってキラキラさせながら 『僕が教えてあげようか?』って言うんだけど、 それがどれだけ可愛いか···。いくら基礎といっても難しいこともちょっとあって、かっこよくて、愛おしい………痛!!」

エイミーが昼間のノクスの事を話していると、ノクスがいきなりエイミーの首筋に噛み付いた。

「ちょ、ちょっと!! 今どこを噛んだんですか!?びっくりしたじゃないですか!」
「 じゃあ俺は…?」
「え!?」
「俺はどうかと聞いた。 俺も愛しいのか?」

(ええ!!)

「あの子供のことは良く言ったのに、俺にはどうして何も言わないんだ?」

(はぁ···?!今まさか···。自分が自分に嫉妬してるの···?!)


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