アラサーOL、マンガを翻訳する

悪役の救い手(韓国漫画)にどハマりした、アラサーOLによるネタバレ・翻訳ブログです。

(ネタバレ・翻訳) 「悪役の救い手」 32話

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引用: 悪役の救い手

 

(本文)

 

アゼフ「あなたにあげるプレゼントを用意したのですが、忘れるところでした・・・。」

 

ジェイ「プレゼント・・・ですか?」

 

 

アゼフはジェイに帽子を被せ、顎ひもを結ってあげると、満足そうに頷いた。

 

アゼフ「さあ、いいですよ。きれいですね、ジェイ。よく似合うと思ったんです。」

 

ジェイ「私も・・・プレゼントがあります。あの、これ・・・。」

 

ジェイはきれいに包装された長方形の箱をアゼフに差し出した。

 

アゼフ「これは・・・私に?」

 

ジェイ「今日は乗馬大会が開かれるじゃないですか。必要になるか分からないけど、アゼフに似合うと思って・・・。」

 

アゼフ「とても気に入りました。手袋が欲しいと思ってたところなんです。勝利の女神が私に微笑んだので、私が必ず勝利をもたらします。ジェイ、ありがとうございます。」

 

プレゼントは、アゼフの瞳と同じ、ブルーの手袋だった。

アゼフがとても嬉しそうにしているので、ジェイまで嬉しい気持ちになった。

 

ジェイ「私も・・・ありがとうございます。」

(こんなに喜ぶなんて思わなかったのに・・・まるで子供みたい。)

 

ジェイ「あ、そうだ。ところでアゼフ。さっき手袋をつけていませんでしたか?」

 

アゼフ「いえ・・・。どんな手袋ですか?」

 

ジェイは変だなと思いながらも、アゼフの嬉しそうな顔でそんなことはすぐ忘れていった。

 

 

―――・・・

 

会場に着き、周りを見渡すアゼフとジェイ。

 

ジェイ「もうあんなにも人が集まっていますね。」

 

アゼフ「ジェイのおかげでかなり遅くなりましたからね。」

 

いじわるそうに言うアゼフにジェイは赤くなる。

 

アゼフ「わあ~、空を見てください、ジェイ。幸い天気には恵まれましたね。」

 

アルモア「侯爵様、予定より少し遅れて到着したため、急いで用意しなければなりません。もうすぐ乗馬の試合が行われますから、まずお着替えからされるのがいいかと・・・。」

 

ジェイ「分かりました。そうしましょう。私も早く着替えてきます。アゼフ、また後で。」

 

アルモアの急かすような言葉に、ジェイは素直に従い着替えに向かったが、アゼフは眉にしわを寄せた。

 

アルモア「侯爵様?僕たちも早く・・・。」

 

アゼフ「本当に君は騒いで邪魔をするところが最高だ、アルモア。」

 

アゼフの嫌味にアルモアの頭には???が浮かんだのであった。

 

―――・・・

 

乗馬のための服に着替えたジェイ。

 

シア「緊張するんですか?お嬢様。」

 

ジェイ「緊張しないはずないわ。」

 (実は生まれて初めての経験なのに。小説の中ではリサがこの大会に出ていたし・・・。私がリサより上手にできるかな?今日の為に暇がある度に練習はしたけど・・・。)

 

シア「ええ~大袈裟ですよ。お嬢様の乗馬の実力はお墨付きなのに。」

 (ハハハ、本当のエルジェイなら実力はあるだろうな・・・。)

 

ジェイはシアの言葉に、苦笑いを浮かべながらそう思った。

 

シア「コーディスのルールは大丈夫ですか?」

 

ジェイ「うん、計8人の本選進出者のうち、先に10周した者が優勝だよね。」

 

シア「そうです!最初はパートナーと一緒に出発しますが、5周以降は侯爵様が馬を降りて旗を持ってこなければならないので、お嬢様の実力を発揮できるいい機会ですね・・・フフフフ。」

 

(5周以降は私が一人で馬を走らせなければならないのね。)

 

ジェイ以上に張り切っている様子のシアに、ジェイは先が思いやられるのであった。

 

―――・・・

 

ファンファーレが鳴り響き、会場は熱気に包まれている。

 

アゼフ「ジェイ!」

 

(走るのはいいとして、アゼフが馬に乗り下りする前に、私がしくじったらどうしよう?この前みたいに、彼がケガでもしたら・・・。)

 

ジェイは心を落ち着かせるように深呼吸してから、アゼフの後ろに飛び乗った。

 

ジェイ「やっぱりアズよりは、アゼフが乗っていたジェイドの方がよかったでしょうか?」

 

アゼフ「かまいませんよ。ジェイはアズと練習したはずだし、慣れている方がいいです。無理しないでくださいね。あなたがどれだけ早く走っていても、その前に私が迎えに行きますから。」

 

ジェイ「実は今とても緊張しています。もしこの前みたいにミスしたら・・・。」

 

ジェイはうつむいて、不安に思っていることを口にした。

 

アゼフ「そんなに負担に思わないでください。あなたが一緒にいる以上、優勝は私たちのものです。」

 

司会進行『グリーン!アゼフ・ランデル!』

大歓声の中、アゼフとジェイのペアが呼ばれた。

 

アゼフ「じゃあ、行きましょうか?」

 

後ろを振り向いてそう言ったアゼフに、ジェイは力強く頷いた。

 

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